2! ページ29
・
『ちょっちょっちょっ!』
「Aちゃん動かないで」
『えっ意味が分からないんですけど!』
「動かないで」
『はい』
あのあと「あ!時間やべぇ!」と急に騒ぎ出した田中さんに、無理矢理空き教室へと連行された。
そこには潔子さんと仁花ちゃんが待ち構えていて、心なしかワクワクとした顔をしていた。
え、なに。
「腹太鼓拒否られたので作戦2です!」
「知ってた」
「あはは…」
田中さんが元気にそう告げ、私を空き教室に放り込んで去って行く。
そして、ぐっケツいてぇ許さん…。
と思う間もなく潔子さんに椅子に座らせられた。
『えっえっ、本当になんですか!?』
「あとで分かる」
「Aちゃん私頑張るね!」
『仁花ちゃん何を!?』
潔子さんはポケットから何かを取りだし、私の顔になにやら色々とつけ出した。
え、それはツケマツゲさん…?
なんて思っていると、今度は仁花ちゃんが私の髪を櫛で解かし始めた。
ごめんね絡まって!
とかいう暇もなく無言で進んでいく二人の作業に、私は黙って混乱していた。
「出来ました!」
「私もできた。…うん、やっぱり可愛い」
「わぁ!Aちゃんお嫁さんにしちゃいたい…!」
「ギリギリセーフね。Aちゃん急いで」
『えっ、なんですか、本当に待って下さい』
「あ、Aちゃんこれ鏡!」
なにやら終わったらしく、潔子さんと仁花ちゃんは私の顔を見て満足気に頷いた。
それに、私はメイクとかなんか色々されたんだよね!?
と混乱が最高潮になっていると、仁花ちゃんに可愛らしい手鏡を渡される。
……それを覗くと、超絶美少女が映ってた。
白い肌にツケマ効果か大きな目。
赤く塗られた唇に、綺麗に結われた髪。
これが、私…?
なんてレベルじゃなくて、は?誰コイツって感じ。
は?え?
「Aちゃんは特に癖がないから、絶対に可愛くなると思ってたの」
『それは誉め言葉ですか?』
「キャプテン達もびっくりするでしょうね!」
廊下を走りながら、なにやら私はこの姿でみんなに会うことになっているらしい。
なんで、と思ったが、部室が見えてきてようやく私は察した。
まさか、まさかまさか!
『まっ待ってください落ち着いて!』
「逃げちゃ駄目」
「Aちゃん行くよ!」
騒がしい部室の扉を仁花ちゃんが勢いよく開けると、一瞬で静まり返った。
・
2350人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
未確認歩行物体(プロフ) - たくさんのコメントありがとうございます!!数年もたった今更にまとめての返信になってしまいすみません、全てのコメントは当時にちゃんと読ませて貰ってました…!完結してから随分経ってしまいましたが、新しくコメントくださった方もありがとうございます! (2021年5月3日 13時) (レス) id: d428059590 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - もうこの小説作ってくれた作者様に、感謝だわ。 ありがとうございます!(スライディング土下座) (2020年6月6日 18時) (レス) id: 8baac5d0e6 (このIDを非表示/違反報告)
リンネ - なんかひいおばあちゃんずるい。クロと誕生日同じだよ?!ぼくなんか8/20というなんという日にちだよ。あと1日早く生まれたかった\(^o^)/ (2016年12月17日 17時) (レス) id: ef4590e231 (このIDを非表示/違反報告)
やよい - それから未確認さん、今までありがとうございました!未確認さんへの作品を作ったのでぜひ見てください。http://uranai.nosv.org/u.php/enq/mikakuninn/ (2015年11月2日 18時) (レス) id: e5350613f4 (このIDを非表示/違反報告)
やよい - 実は、未確認さんへのメッセージを書いた作品を作りました。これを見ている読者の方はぜひ、参加していただきたいです! (2015年11月2日 18時) (レス) id: e5350613f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ