【ハイキュー】やったね、女の子は顔じゃないらしいよ。

34　優しくする方法を知らない ページ12

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やっぱりな。



『母上、私の部屋に不審者がいるんだけど』

「なに言ってんのよ、アンタの彼氏でしょ」

『ちげぇし！！』



玄関に見慣れた靴が並べられていて、まさかと思い自室に行くと奴がいた。コイツの登場が毎回私の家な件どうしてくれようか。



『ね？及川サン？？』

「……」



及川はあろうことかうつ伏せで私のベッドの上にいた。しっかりと枕に顔埋めてるんだけどこれ警察にやってもいい？



『取り合えずベッドから降りようか』

「…………」

『おいコラ聞こえてるだろ』

「…………」

『……その枕、私の涎がバッチリ染み付いてるけど』



これでガバリとすごい速さで起き上がった及川の頭を人形で殴る。すごいねさっきの速さならオリンピックいけるよ。
もう一発殴っとくか。

だけど私はもう一度人形を振り下ろす前に及川の異変に気づく。


……あー、気づかなきゃ良かった…。






『……なに泣いてんのさ…』



無駄に整いやがった顔面をビショビショにして泣いてる及川。もしかして私の枕に鼻水つけてねぇだろうな？

そう思いながら人形で及川を殴ろうと振り上げてた腕を下ろした。



『人のベッドの上で一人で泣いてたとか犯罪臭すごいよ？？』



私がそう言っても及川はグズグズと鼻をならして泣いてる。
いつも一人でマシンガントークを発するその口もらきつく唇を噛み締められていて。

……なんなの。私が泣かしてるみたいじゃん。頼むから早く泣き止んで帰れって。





『……はぁ、』



それでも泣き止む気配のない及川。


私はため息をついて、仕方なくベッドに腰を下ろし及川の方を見た、途端に。何を勘違いしたのかいきなり抱き締められたんだけど。





『……あの、』

「Aが…！！」



私の言葉を突然大声で遮った及川。

ようやく喋ったと思ったら！
本当になんなのお前は！




「応援に、来なかったから…白鳥沢に、ッ負けた…！」




ボロボロと、吐き出すように口を開いた及川。

真っ黒なジャージが、私の肩が、及川の涙で濡れていくのが分かる。鼻水だったら殺すけど。







『…メールした』

「なんで、メールとか、ッ遅いし…！」




………。


どうやらこの様子じゃ負けてから私のメールを見たらしい。なんかすまんかった。


でもそのまま私をガッシリ抱き締めながら泣く及川に私どうすればいいの。
殴りたいけどどう考えてもここ殴るシーンじゃないし。





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