【HUNTER×HUNTER】運命とは複雑なものである。

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試合開始のジャンプボール。勢いよく飛んだキルアとは対象的に、何もせずにコートに戻ったレイザーチームの念人形。


「先手はくれてやるよ」


ハンデのつもりか、先制はプレイヤーチーム。その完全に舐めきった態度に昂ったゴレイヌ氏がボールを投げ、レイザーチームの念人形を二体アウトにした。その一方で減った内野とは反対に増えた敵の外野に、私はコートの隅から少しだけ離れる。
そして煽られ耐性0なのか、勢いのままレイザーを狙ったゴレイヌ氏のボールはレイザーに容易く片手で止められてしまった。oh......。

攻守交替。

禍々しいオーラを右手に纏ったレイザーが振りかぶり、ボールを投げる。狙われたのはゴレイヌ氏。その速さと威力に避けることも受け止めることも許されず、砕け散ったのは…ゴレイヌ氏の念獣。対して先程まで念獣のいた外野ではゴレイヌ氏が肩で息をしながら膝をついていて、ひぇ〜と頬を引き攣らせる。
もしゴレイヌ氏が念獣と自身の居場所を入れ替えることが出来なかったら…ゾッとしたのは私だけじゃないはず。


「さぁ、次行くぞ！」


気を休める暇もなく、跳ね返ったボールはレイザーの手のまま、続く試合。序盤で念人形を二体わざとアウトにさせたのはこの為か。レイザーと外野の念人形三体による高速パス。これは流石に傍観とかしてられない。怖すぎィ！
動体視力が特別優れているわけじゃない私は慌てて中心に寄り円を最小限で展開した。その数秒後に軌道から弾かれるように投げられたボール。私のところじゃないなと安心する間もなく、そのボールはツェズゲラ氏の背部に命中した。ひいい。咄嗟に背中をオーラでガードした彼はなんとか致命傷を免れたが、それでも外野で活躍できそうにないくらいには重症。知ってたけどこのドッジボールやばすぎないか？

床にバウンドしたボールをキルアが拾い、攻守交替。


「…ヒソカ」

「OK◇ ボールを♠」


キルアからボールを受け取ったヒソカがレイザーの念人形にボールを当てて、そのまま跳ね返ったボールをバンジーガムで手元に引き寄せる。その便利さに思わず感嘆の声を漏らした。正直このゲームくそ怖いからそのまま早く終わらせて欲しい感じある。お願いします！
しかし次に投げたヒソカのボールはまさかの合体した念人形に取られてしまい、また攻守交替。念能力ならなんでもありか！

再びレイザーが手にしたボールに震えるだけの人生だった。


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