許されるはずのない恋 (ページ4)

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出発の時ページ4

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庭の桜の木が散り始めたこの季節

二人が過ごした日は、もう２０年が経とうとしていた。

明日には、人間界に行かねばならない。

最初のうちはやっぱり人間界に慣れていないので、３年は後宮と人間界をいったりきたりする。

『いよいよ明日か～』

「何か実感わかないんだけど…」

『ほんとそれ！人間界ってどんなところなんだろうね～』

「自然がいっぱいな所もあれば、建物がいっぱいな所もあるらしいよ」

『楽しみだね、北斗！』

「うん！あ、でもジェシー、人間界に行ったら人前では絶対に俺の名前呼んじゃダメだよ？」

『あ、そっか！北斗の家は確か、番と親以外に自分の真名を知られたら霊力が弱まるんだっけ？』

「そうそう。だから、偽名を使ってね。っていっても、偽名は明日親から言われるんだけど」

『俺も、明日親から偽名を貰うんだよね～。まあ俺は本名知られても大丈夫なんだけど』

こういうたわいもない、オチもない話を延々と続けられるから不思議だ

明日は初めての人間界。とても楽しみだ

「ジェシー！早くしろよ！」

『待って北斗！』

次の日、二人は人間界と後宮をつなぐゲートの前に立っていた。ついにこの日がやってきたのだ

『じゃあ、行くか！』

ゲートをくぐると、そこは大広間だった。そこには、二人の両親がいる。

二人はとりあえず一度別れて、親から今後の説明を受けるらしい。そしてそれが終わったら、籍を入れて、番の儀式をするそうだ