転送 ページ10
朔の言葉通り本丸は次の日の日の出と同時に過去へと転送されて行った。
｢…ここが過去の本丸が後々できる場所、か。｣
｢周りに畑や道がない以外は今と変わらんようですな…｣
｢僕達が出陣してきた時代よりずっと進んだ技術を持ってそうですね。｣
口々に思い思いの一言を残しながらあたりを見渡す一行。しかしその目に映るのは遠くに人里、近くには未開発の山の自然ばかりだった。
｢さてと、あたりの散策は後々にして、具体的なかぐや捜索についての作戦会議をしよう。｣
｢前田と僕で大広間のご用意を済ませておきましたのでそこで致しましょう。｣
気を利かせてすでに用意していた前田藤四郎と平野藤四郎。他の男士達は2人に礼を行って本丸に入っていった。
｢主、お先に広間へ。｣
いつも主第一で側仕えを望む長谷部が声を潜めて朔を1人先に、いや周りに他の男士を付けて行かせようとする。
朔がその異質な動きに目をつけないはずがなかった。
｢単品で動く遡行軍の類いか。｣
｢…いえ、そこまで邪悪な気配は致しませんが念の為、先に入った連中と共に中で身を潜めておいてください。｣
中へ無事に入ったと確認すると臨戦態勢に入る長谷部、山姥切、新選組の刀達、そして三日月。
｢ほぼ全員の息が浅く若い子供が近づいてきています。けれども気配が薄くて…｣
｢俺も兄弟と同じくらいしか確認できていない、身のこなしは只者じゃなかった。それに1人、成人した…鍛え抜いた武者がいる。敵となれば…厄介だ。｣
堀川兄弟の偵察の結果もありさらに緊張感が漂う本丸入口。
｢敵ならばかぐやを捕らえているかもしれぬ。何よりも…敵ならば切り捨てるのみよ。｣
全員が刀に手を伸ばして腰を落とし、いつでも切りかかれるようになる。
ガサッ
｢何この建物!!｣
｢ほら見ろ!!俺らの見間違えじゃなかっただろ？｣
｢烏間先生こっちこっち!!｣
｢…これは…!?｣
わらわらと出てくる無害そうな人の子達に唖然とする男士達。
｢ねぇ先生、刀持ってる人達いるんだけど…もしかして…｣
｢日本刀の暗殺者…!?｣
｢…はて、遡行軍のようでは無いな。これは驚いた、ただの人の子らが山の中を駆け回っているとは思わなんだ。｣
口ではそう軽快に言う三日月だったが目の奥でこいつらを返す訳には行かないと決めていた。
｢してお主ら、俺の愛づ児を返してもらおうか。｣
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ミューゼス(プロフ) - 極・吹雪姫さん» 全作品にコメント頂きありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年5月12日 18時) (
レス) id: 8be0659255 (このIDを非表示/違反報告)
極・吹雪姫 - みゅーぜす＞ワンコ女子の力作見ましたわ！！表クール（？）で裏ワンコ！！発想、展開、誤字はあっても、長く続けられる強さ。だからこそできた作品でしょう。（ちなみに暗殺教室→カルマ、有希子 黒バス→伊月が好きよ？ (2019年5月7日 21時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミューゼス | 作成日時：2018年8月29日 18時
