声 ページ32
｢かぐや!!かぐや!!こっちだぞ!!｣
｢僕達はここだよ、早くおいで!!｣
｢…誰？｣
頭の中で響くたくさんの自分を呼ぶ声、靄がかかったように声の主達は見えない。
が、聞いたことがある。
とてもとても…懐かしい。
｢…誰？｣
｢こっちですよう!!｣
｢誰なの!?｣
自分が叫んでいるのが夢か現かも分からない、ただあやふやな懐かしさだけがこみ上げてきて涙も出てくる。
声がする方は霧のように見えない、しかし声は確かだ。
それになぜだかこの感覚も懐かしい。
｢かぐやや。｣
｢かぐや!!一緒に隠れんぼしましょう!!｣
｢俺を兄と呼んで慕ってもいいぞ？｣
｢好きだ…愛しているぞかぐや…。｣
この顔…見たことがある。
この声も…
この匂いも…
この愛おしさも…
｢なぁんだ…｣
口角をクッと上げて三日月の目を見つめるかぐや。
｢…かぐや？｣
｢私、三日月様を好きになってよかった。ありがと、大好きだよ？私って…幸せ者だね。｣
｢!!｣
優しく三日月の頬を包み込み何事もない平穏な日々の一コマのように、穏やかに微笑んだかぐや。
生徒と教師達はその驚きの行動に目を見開く。
まさか記憶が…？
そう聞こうかと生徒が、教師が、刀を思うように振れない三条刀達が、三日月宗近が、口を開こうとした時だった。
ﾄﾞﾝｯ
｢だからお願い、みんなを…先生達を守って!!｣
三日月を突き放したかと思うと待ち構えてたかのように三条刀達から手を離しかぐやに襲ってくる遡行軍。
｢触手の力はあんたらになんか、使わせないんだから!!｣
｢かぐやっ!!｣
咄嗟に出した手が空を切り青い狩衣が虚しく宙をたなびく。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 181人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミューゼス(プロフ) - 極・吹雪姫さん» 全作品にコメント頂きありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年5月12日 18時) (
レス) id: 8be0659255 (このIDを非表示/違反報告)
極・吹雪姫 - みゅーぜす＞ワンコ女子の力作見ましたわ！！表クール（？）で裏ワンコ！！発想、展開、誤字はあっても、長く続けられる強さ。だからこそできた作品でしょう。（ちなみに暗殺教室→カルマ、有希子 黒バス→伊月が好きよ？ (2019年5月7日 21時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミューゼス | 作成日時：2018年8月29日 18時
