黄色の妖 ページ13
｢その柔らかな手足はかぐやが斬っていた遡行軍と同じものかな？どうしようか弟丸、あいつは僕達じゃあ斬れないね。｣
｢膝丸だ兄者。刀を当てずに嬲り殺すことはできないのだろうか？｣
物騒なことを言いながら源氏の兄弟刀が前に立つ。血気盛んな2人だからか表情とは裏腹に言葉は穏やかでは無い。
｢私が斬っていた…？｣
｢そこうぐん…何それかぐや知ってる？｣
｢カエデ…ううん知らない、覚えてないだけかも知らないけどそんな軍だなんて…｣
｢とりあえずこっちに。｣
戸惑うかぐやの手を引いたのは片岡メグ、かぐやの世話を好き好んで請け負って仲良くしている1人だ。
｢メグちゃん…さっすがイケメグ!!｣
｢あとは先生達が対処してくれるはずだからとりあえずかぐやは教室に戻ろう？｣
｢そうはさせませんっ!!｣
友人達に手を引かれて山道を戻ろうとしたかぐやを引き止めたのは子ども…涙目の短刀達だった。
｢かぐや!!僕三日月さんとかぐやが逢瀬に行く時デコってあげたの覚えてないの!?｣
｢トラくんのお世話…もう一緒にやってくれないんですか…？｣
｢かぐやの懐入らせてよ!!｣
｢色んな外つ国の祭りの話もう聞けねぇなんて…絶対やだ!!｣
他にも次から次へと飛び出してきてわらわらと囲まれて驚き戸惑うかぐやだったが訝しげな顔をして縋る子供たちの手を1人ずつ解いていった。
｢ごめんね、私君達のこと1個も分からないの。それにあんなに立派な屋敷、私は知らない。どうやってきたのか知らないけど…私は暗殺教室のメンバーなんだよね。だから…記憶がなくてもここで新しく生きていきたい。｣
｢｢っ!!｣｣
全刀剣男士に衝撃が走った。これはかなり不味いことになったからだ。
いくら記憶が無いとはいえ歴史を変える要因になりうる存在である自分達。だからたとえ元の主と対面しても干渉は許されない。しかしかぐやはあまつさえ歴史を変えるかもしれない決断をして、共に過ごすと言い張るのだ。
｢よくぞ言いましたかぐやさん。どうでしょうこのまま私に彼女の教鞭を取らせてはくれませんか？｣
｢せんせー!!｣
｢ふざけんな…こんの妖風情がぁ!!｣
かぐやの肩を持ち自分たちをなだめてくるような口振りに血気盛んな男士が斬りかかろうとしたがそれを止める声が響いた。
｢止めろ!!抜刀はここでは許可しない!!｣
弾き出されるように建物の中から出てきたのはスーツ姿のまだ若い男、朔だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 181人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミューゼス(プロフ) - 極・吹雪姫さん» 全作品にコメント頂きありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年5月12日 18時) (
レス) id: 8be0659255 (このIDを非表示/違反報告)
極・吹雪姫 - みゅーぜす＞ワンコ女子の力作見ましたわ！！表クール（？）で裏ワンコ！！発想、展開、誤字はあっても、長く続けられる強さ。だからこそできた作品でしょう。（ちなみに暗殺教室→カルマ、有希子 黒バス→伊月が好きよ？ (2019年5月7日 21時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミューゼス | 作成日時：2018年8月29日 18時
