数年後 ページ47
｢主、三日月から文が来たよ？｣
｢お、そうか。ありがとな、加州。どれどれ？｣
あのかぐやの大騒動から数年後、朔はそれ相応に少ししかし確実に歳を重ねた顔付きになってきた。
にも関わらず周りの刀剣男士達はひとつも変わらないことが彼一の悩みであった。
｢はぁっ!?アイツら子供できたって…しかも産まれた!?｣
｢ええええええええええええ!?｣
叫び声が本丸中に響きどっとその文を見ようと集まる刀剣男士達。三日月が描いた似顔絵が古風すぎて好みが別れる結果となってしまった。
｢男の子で母体も赤ん坊も健康そのもの、名前は蒼月…か。｣
｢子供を連れて顔を出してくれればいいんだけれどもね。｣
｢…見てやりたかったな。｣
この場所に2人の姿はない。三日月とかぐやの話が出たとき、1度は明るくなるもののすぐに悔しそうな声が漏れてしまう。
仕方の無いことだった。
2人はもうこの世にはいられない体になってしまっていたから。
かぐやの過ごした時代から帰還し、盛大な祝言を上げた数ヶ月後、まずかぐやそして三日月の体に異変が起こり始めた。
かぐやは大きすぎる時空摩擦に耐えられず体の組織が音を上げた所に、三日月の霊力が入り込み決定打となったらしい。
三日月は霊力を大量に消費したから、その空きにかぐやの霊力が混ざり、反応したらしい。
どちらにしろ、もう長くは持たないというのが政府の、そして全員の見解だった。
｢朔、この世に俺らが耐えられぬのなら…暇を貰いたい。｣
｢…消えるとか言うなよ。｣
｢消えるなぞ言わぬ。俺の神域でかぐやと過ごしたい…永遠にな。｣
隣ですやすやと眠りにつくかぐやの頬を撫でる三日月。
その場にいた全員が息を飲んだ。
｢俺の神域にさえ行けば、…かぐやを隠せば時は止まり俺らの体も良くなるだろう。
もう二度と、ここには帰れぬが。｣
誰もそれに反論しなかった。無言の賛成、だ。
｢俺らは何年でも待っている。から力が使えれば手紙を送ってくれ。｣
｢あいわかった。｣
｢歴史は我らが守り続ける故、気にするな。｣
｢任せたぞ…。｣
次の日の朝、部屋には2人がそれぞれしたためたであろう文と整えられた布団だけが桜の残り香を残して、かぐやと三日月は姿を消した。
冒頭の大騒ぎは三日月から送られてきた2通目の手紙での、いきなりの出産報告だった。
｢ったく…あのじじいは何事もいきなりだな。｣
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ミューゼス(プロフ) - 極・吹雪姫さん» 全作品にコメント頂きありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年5月12日 18時) (
レス) id: 8be0659255 (このIDを非表示/違反報告)
極・吹雪姫 - みゅーぜす＞ワンコ女子の力作見ましたわ！！表クール（？）で裏ワンコ！！発想、展開、誤字はあっても、長く続けられる強さ。だからこそできた作品でしょう。（ちなみに暗殺教室→カルマ、有希子 黒バス→伊月が好きよ？ (2019年5月7日 21時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミューゼス | 作成日時：2018年8月29日 18時
