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11話 ページ12

リョウside

ゆ「久しぶり!元気にしてた?」
目の前でにっこり笑うゆずに、俺は不本意にドキドキしていた。
コイツ、綺麗になったな....
耳下までのショートだった髪は胸元まで伸び、真っ白な肌がさくらんぼ色の唇を際立たせている。
メイクなんてしていないみたいだけど、十分綺麗だった。

リ「...っああ、元気だよ。ていうかお前なんでここに...」
ゆ「4日前に帰国したの。もう引っ越すことはないだろうって」
っマジか!
こみあげてくる嬉しさに思わずニヤケそうになるが、グッとこらえた。
リ「へー。赤月たちも驚いただろ」
ゆ「ううん。まだ翔太くんたちには会ってないの。青星の生徒では、リョウ君が初めて会ったよ」
え、まだ会ってないの!?すぐに連絡して感動の再開〜、みたいな感じだと思ったのに。
ていうか、俺が初めてって...(嬉)

ゆ「...?リョウ君、どうかした?」
リ「あっ、いや、なんでもない。というか、歌、上手いな」
小声だったけどはっきり聞こえたゆずの歌声は透き通ったソプラノで、天使のようだった。
ゆ「そう?嬉しい。オーストリアのウィーンにいた時に歌とかピアノとかレッスンしてもらってたから」
マジか、ウィーンって本場じゃん...
リ「すごいな。大変だった?」
ゆ「そりゃあもう!ボイトレだけで2時間ぐらいやったし、その後1時間ごとに5分の休憩だよ?さすが本場って感じがした...まあそのおかげですごく高い声も出るようになったんだけどね」
アーと高い声を出すゆず。そういえば、連絡先交換してなかったから声聞くのも2年ぶりだな...

リ「じゃあ聞かせろよ」
ゆ「え?」
リ「お前、『彼方の光』って知ってるか?」
ゆ「え?あ、うん。さっきのと同じリベラのだよね?」
リ「知ってるならよかった。俺伴奏弾くから、お前歌えよ」
ゆ「え?そんな急には...」
リ「本場での練習の成果、ちょっと見せろよ。さっきも歌えてたじゃん」
ゆ「.....分かった」
ゆずがピアノの横に立つと、俺は鍵盤に指を構えた。

ゆ「♪〜♪♪〜♪♪〜♪〜....」
さっきよりもはっきりしたソプラノが音楽室に響く。
俺はかすかに笑いながらピアノを弾き続けた。

その頃、聴いていた職員室の先生たちの間で、2人の音色が話題になっていた。

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ピコ - ありがとうございます!面白いです!続き待ってます (2022年5月2日 6時) (レス) id: 582f8895fd (このIDを非表示/違反報告)
けー - 続き読みたいです! (2022年4月26日 22時) (レス) @page38 id: 000c69e08d (このIDを非表示/違反報告)
霊夢 - きゃー!ほんとeye-s好き!ゆず可愛い!彩いい子!みんな大好きだー! (2021年8月27日 16時) (レス) id: 4f2a422363 (このIDを非表示/違反報告)
ルーーな - こっ、更新頑張ってください!!! (2021年8月27日 11時) (レス) id: 93361de40b (このIDを非表示/違反報告)
恋雪 - めっちゃ面白かったです!! 次の更新、楽しみにして待ってます!! 頑張ってください!!応援しています!! (2021年8月18日 15時) (レス) id: 77a3f18b6f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スズ | 作成日時:2020年12月29日 16時

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