二つの時間 (ページ10)

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Episode 10 ページ10

山「あ、Aー」

手を動かしながらなに、と適当に返事をする

山「夜ご飯食べてくねー」

はぁ！？

なんて勝手な…。

山田の自分勝手さに呆れるわほんと。
そんな山田を許す私の親も私の親だけど…

はいよ。と返事して山田を置いて家族が待ってるリビングに向かう。

私は一人っ子だから兄弟がいない。
だから私の親は山田のことを息子だと思って許しちゃってんのかなっておもう。

親の気持ちも少しはわかるけど、
親はどうも思わないのかね。

高校2年生の男女が一つの部屋にいることを。

はぁー情けない情けない。

呆れながら階段を下りる。

ちょっとまって、と遅れて山田もリビングに向かう。

母「涼介くんいらっしゃい、たくさん食べてってね！」

父「そうだぞ。男はたくさん食べるから力がつくんだぞ。たくさん食べていきなさい」

はは、ありがとう！おじちゃんおばちゃん。と山田はお礼を言い、席に着く。

「ねえ、そこ私の席なんだけど。隣座って」

山「いいだろ？べつに。俺は客だぞ？我慢しなさい」

となぜか満面の笑みででそう言ってきた。

・

「仕方ないな、もう」

・

・

はぁ。

あの笑顔には負ける

あんなキラキラした笑顔で
言われたら敵わないよ