雰囲気だけの短編集。 (ページ2)

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短い片思い。２ページ2

『次はいつ会える？』

『すぐ会えるよ、あっちついたら連絡するよ。』

『。。。うん。』

『泣くなよ～』

『泣いて、ない、し。』

私の頭をぐしゃぐしゃ撫でる手が好きだった。

『そっか、昔の木ノ実はいつも兄さん兄さんってくっついてたのにな』

『昔はでしょ！』

眉を下げて笑う表情も好きだった。

『じゃあ、もういくぞ。大丈夫か？』

『。。。うん。』

いつも私のことを気にかけてくれる優しさが好きだった。

『せ、正兄さん。。。！』

たぶん

『？』

私は

『私ね、』

きっと

『どうした？』

この人が大好きで仕方なかったんだ。。。

『。。。なんでもない！！』

『。。。？』

『あ～もう！もう出なきゃでしょ！！ほら荷物！』

『あーうん。ありがとう。』

『。。。じゃあ、またね。』

『おー、またな。』

ああ、最後に優しく頬を撫でられたあの感覚が忘れられない。

“＿＿＿＿＿＿今日、午前四時✕✕県〇〇市▲▲区のドラックストア付近で交通事故がありました。
事故の原因は一方の車の飲酒運転による交通違反だということです。
被害にあった成人男性、八神正秋さんは大怪我を負い、病院に搬送された後、亡くなられました。
飲酒運転をしていた佐藤智子さんは＿＿＿＿＿＿＿＿”

なんで、

なんであの時好きって、

大好きだって、いえなかったんだろう