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14回目【過去編】 ページ18

太宰side



あまり、その蛞蝓に近付かないで欲しい。

芥川に、手を貸さないで欲しい。

その黒服に囲まれないで欲しい。

他の奴にそんな表情を見せないで欲しい。




気が付けばAの事をずっと考えていた。


私はこんなにも嫉妬深く、独占欲が強かったのか。


伊上「太宰さぁん、どうしましたぁ?」


太宰「別に、何も」


ぼうっとしていた。

慌てて現実に思考を戻らせる。


伊上「そうですかぁ?」


最近、私の近くに居ることが多い、「伊上りん」。


正直、こういう女は苦手なのだが、表には出さない。




私がこの女と一緒に居れば、Aは嫉妬でもしてくれるだろうか。


なんて、馬鹿らしい事も考える。

Aに出会ってから、私が私で無くなったみたいだ。









空は茜色に染まり、夕刻を告げる。


樋口「A先輩!一緒に帰りませんか!?」


A「あ、いいよー」


ついつい、Aという名前に反応してしまう。


銀「(私も)」


A「もちろん、一緒に帰ろ?」



よかった。周りに他の男は居ない。

安堵のため息を吐き出す。




我ながら趣味が悪いとも思ったが、聞き耳を立てた。



樋口「ところで、A先輩。お付き合いしている人は居るんですか?」


吹き出しそうになった。

私とAが付き合っているのを知っているのは、それこそ姐さんや首領くらいだ。


バレると大事になってしまうから。


銀「(中原幹部とか…?)」

樋口「あっ!もしかして芥川先輩ですか?」




その名前が出てきた事に、イライラする。



A「ち、違うよっ!?確かにカッコいいけど…」



樋口「けど?」


A「ううん、なんでもない」



心の中がかき乱される感覚。

他の男の事をカッコいいと言ったAに、どうしようもなく焦る。




その時、思った。



Aは私ではなく、他の男が好きなのではないかと。



それでも、それだと私に「申し訳ない」という気持ちがあるから、我慢しているのではないかと。


考え始めると、止まらない。


そういえば最近、話していない。

中也といるときは、楽しそうに笑っている。



そうか。これは全部、そういう事か。






自分の気持ちを









殺した。

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ゆちよきし(プロフ) - 完結おめでとうございます。これからも、頑張ってください! (2019年4月23日 5時) (レス) id: 46d1d00e6e (このIDを非表示/違反報告)
彌鵺 - コメント&リクエスト失礼します!出来たら太宰さんと夢主の甘いのを書いていただけたら………。無理なら全然大丈夫です! (2019年4月21日 0時) (レス) id: 9306bd30af (このIDを非表示/違反報告)
たまごぷりん(プロフ) - 最小年幹部じゃなくて最年少幹部ですよ。17ページ目です。 (2019年4月20日 11時) (レス) id: d35abfd515 (このIDを非表示/違反報告)
小田亜矢子(プロフ) - 初コメント失礼します!!リクエスト大丈夫ですか?良ければ、ドSのだざぁさんを見たいです!相手は夢主で(( (2019年4月19日 18時) (レス) id: ce06f91552 (このIDを非表示/違反報告)
ぼっち - つばたさん» 有難うございます!更新、頑張っていきますね! (2019年4月19日 5時) (レス) id: 7b6511147e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぼっち | 作成日時:2019年4月15日 6時

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