【文スト】我、妖狐なり

所属 ページ28

太宰はAによって、何とか生還を果たした。



中「災難だったな」


太「よく何事も無かったような顔が出来るね…私は死.にかけたって云うのに…」


中「そのまま死.んじまえば良かったじゃねェか」


太「春夫さんに首絞められて死.ぬなんて御免だね。それより敦くん、何故助けてくれなかったんだい？何度も呼んだじゃないか」


敦「すいません、関わりたくなくて…中也さんにも云われましたし…」


敦が段々と中也に懐いていく。
これは太宰にとって由々しき事態である。

対策を練らなければと考えている太宰に、近づく影が一つ。



春「だーざーいーくんっ！」


太「春夫さん！？Aさんに叱られてたんじゃ？」


春「逃げてきたんや。母様の話は長くていかん、眠うなるわ」


太「うわ、知りませんよ。Aさん怒るだろうなぁ」


勿論、後で散々叱られるのだが、春夫は今の内にしておきたいことがあるらしい。




春「俺は用が有って戻ってきたんや！其処の白い髪ん子と話したかってん」


春夫はどかっと縁側に腰を下ろした。

此処に座れと云わんばかりに、自分の隣の床を叩く。
敦は殆ど恐る恐ると云ったように隣へ座った。


春「名前は？後は…そや、異能の事を教えて欲しいのぉ？そっから、何で此処に来てるんや？母様に認められたんしちゃぁ、覇気っちゅうか…そんなんが無いなぁ？」


矢継ぎ早な質問に待ったをかけ乍ら、一つずつ答える。

玉割子に関しては、一番弟子である春夫も知らない様で、興味深そうに聞いていた。




敦「あの、春夫さん？春夫さんはどんなお仕事をされてるんですか？」


春夫は良くぞ聞いてくれたと喜ぶ。が、他の二人は渋い顔だ。


春「何となぁ…俺はあの『異能特務科』なんや！」


敦「へぇ……異能特務科ぁ！？」



却説、此処にいるのは、ポートマフィアの現幹部と元幹部ある。


太宰はポートマフィアに居た頃から来ていると云うので、春夫は太宰が元ポートマフィアだと知っている。

何故捕えないのか。いうなれば一種の職務放棄である。


そんな敦を見透かしたように、春夫が云った。


春「母様は「儂の目の黒いうちは家族同士の内乱など起こさせん」ちゅうとってなぁ。一度特務科とポートマフィアが激しい対立になった時は怖かった！」


今でこそ笑い話だが、当時は震える程怖かったのだと云った。


ここにAがいる限り争いは起こりえない。
矢張り母は強いのだ。

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