35 電話の向こうから ページ9
中原中也side
パソコンに向かって丸一日が経った。
俺はつくづく馬鹿な事をしてしまった。
あの太宰に何をするか話しちゃあ好き勝手に行動が出来ねェだろうが...。
部下が五杯目の珈琲を運んでくる。
｢武装探偵社に芥川を持って行くのは危険だ、だが武装探偵社以外に芥川を配置出来る所はない...
嗚呼、もうどうすりゃいいンだよ!!｣
先刻からずっと同じ事の繰り返し。
良い案が出来たと思えば最後の最後でそれが駄目だと気付き、作り直し。
いつも通り首領に考えてもらう事も考えたが、何故だかそれは駄目だと俺の感が言う。
文句を垂れながら文章を消していく。
そう言えば後二日しかねェのか。
これじゃあ永遠に決まらねェぞ。
｢中原幹部、お電話が｣
｢誰からだ｣
部下が話し掛けて来たと思えば質問をすれば黙り込んだ。
恐らく俺の前で口に出しにくい名前の奴だろう。
差し出された携帯を受け取り耳にあてる。
｢何の用だ｣
応答するという釦を押し、電話が繋がるも彼奴の声は聞こえない。
聞こえるのは、
ピッ ピッ ピッ
小さな機械音だった。
真逆彼奴、もう行動しやがったのか...!
普段の彼奴なら俺が決行する日と同時に被せてくる筈だ。
｢逆手を読んだな手前｣
｢今迄通りの私と思われちゃあ困るよ｣
｢手前今何処に居る｣
｢実はAちゃん結構危険な状態らしくてね、また手術室に向かったよ｣
それ以上は聞きたくなかった。
だから通話を終了し、外套を着、帽子を被り直ぐ病院へ向かった。
この儘では 芹沢が危ない そう俺は思った。
そして、太宰が何をしたかがすぐ分かった。
病室に着けば勢いよく病室の扉を開けた。
｢やっぱり、な｣
病室の真ん中で椅子に腰掛けて座るのは太宰だった。
勿論、病室は太宰しか居なかった。
もぬけの殻だった。
太宰は俺の方を見るなりヒラヒラと手を振り、笑顔を浮かべた。
俺は太宰の方へ歩み、胸ぐらを掴む。
｢先刻手前芹沢が危険な状態だとか言って手術に行ったとかほざきやがったよな｣
｢うん、云ったねぇ｣
｢手術に行った、じゃなくて手前が手術に行かせた、の間違いだろうが｣
俺がそう云えば太宰の媚り着けた様な笑顔が目に入る。
だから頬をぶん殴ってやった。
それは敵意からではなかった。
芹沢を俺から守るために芹沢を更に危険な状態にした太宰への怒りからだった。
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生華(プロフ) - 乱歩ルート期待の敦くんの妹いさん» 有難う御座います、更新出来てなくて本当に申し訳ないです。貴女様のコメントに励ませれました…これからも何卒宜しく御願いします！ (2018年5月27日 23時) (
レス) id: 4d8bd19d6f (このIDを非表示/違反報告)
乱歩ルート期待の敦くんの妹い - この作品？小説？僕好きです！応援します！頑張ってください！(語彙力は小…中也の素敵帽子にバリムシャァされました。 (2018年5月23日 19時) (レス) id: 4a14a6da47 (このIDを非表示/違反報告)
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