ゆらり、くらり、恋心。 〜鈴木達央〜

sweet sweet days * 9 ページ11

鈴木side




ついにこの日がやってきてしまった。



今日でこのアニメの収録が終わる.....。



すなわち、彼女がのるこの電車に乗るのも最後になってしまう。




少し、憂鬱な気分になりながら電車に乗ると、彼女はいつもと同じ席に座っていた。




俺も定位置に立って、彼女を見つめる。




あぁ、俺はもう彼女をここから見つめることは無いんだ....。




そう思うと、胸が痛む。




鈴「はぁ........。」




名前も知らない、話したことさえもない子に恋に落ちた。




今思うと凄いことだと思う。




純粋じゃねーか、俺。




俺の、彼女への一方的な思いを頭の中で流していたら俺が降りる駅が次になっていた。




そして、駅の名前が呼ばれる。





あぁ、近づくな....。




もう少しで、もう少しでいいから。





そんな俺の思いも知らずに駅へ近づく電車。




「さよなら...............。」




声も名前も知らないキミ。




そして、俺は電車を後にした。

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