負けない ページ42
辰の刻下がり。
ナルト城の門の前で、私たちは整列していた。
「皆のもの、覚悟はいいな。突撃っ!」
「「おうっ!」」
組頭の掛け声と共に、八左ヱ門含む斬りこみ隊が門を破る。
「「わあぁぁぁあっ!」」
中で構えていたナルト兵と戦いつつ、少しでも奥に進む。
先に打ち合わせをしていたこともあって、飛び入り参加ながらも八左ヱ門は連携の取れた動きができている。
立ち位置を見極め、指示があれば引く。
中距離戦に向いている微塵の利点を活かして立てた作戦らしく、もう何年も彼らと共に戦ってきたようにさえ見える。
城特有の入り組んだ構造のせいで少し時間はかかったけれど、午の刻になる前には本丸までたどり着いた。
「良いな、領主がいるのは四階の奥の部屋だ。そこまで何としてでもAと殿のお二人をお連れするのだ!」
「「おおぉぉぉぉおお!」」
Aと殿、と言われることに少し違和感はあるものの、気にせず私は戦いに集中することにする。
皆が私のために頑張ると言ってくれているのだ。
私が途中で倒れては意味がない。
「行くぞ!」
斬りこみ隊の小頭がそう言ったのを合図に、一斉に皆駆け出す。
先程までより兵が増えていることに一瞬怯むも、組頭の一喝ですぐに解消する。
「彼らは治安を乱す逆賊ぞ。決して怯むな、前だけを見て突き進め!」
「我らには狐蝶がついている!」
自らの力を鼓舞するためとはいえ、なんだか意味がよくわからない怒声も城内に響く。
気配を感じてバッと後ろを振り向くと、目の前に刀が迫っていた。
「これに気づくとは、流石狐蝶」
手に握りしめていた寸鉄をくるりと回して刃を受けると、敵は驚いたように目を見開く。
「舐めないで、もらいたいものだなっ!」
ガッと回し蹴りをしてそいつを後ろに吹っ飛ばす。
右から襲ってきた奴を流れるように今度は袋槍で薙ぎ倒す。
負けない。
私は、負けない。
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冴川冬香(プロフ) - j061191さん» コメントありがとうございます!この話本当に上げていいのかな?って五時間くらい考えて、やっぱり上げました。驚かせてしまってすみません(笑)めちゃくちゃ遠回りすることになるとは思いますが、いつかは幸せになるはずなので、お付き合いいただけると嬉しいです。 (2020年11月9日 21時) (レス) id: 33f8ec8fc5 (このIDを非表示/違反報告)
j061191(プロフ) - この展開は決まっていたことなんでしょうが、ど、動揺が…(・・;)続き無理ない範囲で良いのでお待ちしています! (2020年11月9日 21時) (レス) id: ad5fefd1f8 (このIDを非表示/違反報告)
冴川冬香(プロフ) - 凛@昆布教さん» テスト勉強はしようね……? とか言いつつ私も小テスト勉強一切せずに更新するんだけど。これからもご期待に添えるよう頑張ります。よろしくね。 (2020年11月9日 18時) (レス) id: 33f8ec8fc5 (このIDを非表示/違反報告)
凛@昆布教(プロフ) - 冴川冬香さん» 期待通りって(笑)んー、まあまあ時間あるときに更新してくれれば。睡眠は学校の授業中とか塾とかでしてるから問題はないかなー(テスト1週間前)(夜以外も寝てる)ふへへいつまでも待つぜ (2020年11月9日 17時) (レス) id: 0b140bf78a (このIDを非表示/違反報告)
冴川冬香(プロフ) - 凛@昆布教さん» 壊れてないよー(笑)ものすごく期待通りの反応をありがとう。そしてごめんね。爆弾投下しといてなんなんだけど、今日更新できるかわかんないんですよねー。まぁ、適度な睡眠を取りながら待っていてくれると嬉しいです。 (2020年11月9日 5時) (レス) id: 33f8ec8fc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冴川冬香 | 作成日時:2020年9月2日 20時