朝会準備 ページ39
「いただきます」
兵助、勘右衛門、私の三人は、食堂の隅の机に並んで手を合わせる。
久しぶりの学園での朝食。
今日のメニューは焼き鮭定食と、白身魚のフライ定食だ。
フライにも心惹かれたが、三人揃ってAの焼き鮭定食をチョイス。
A定食の小鉢が冷奴なのに、
三人で談笑しながら食べていると、私を探してヘムヘムが食堂にやってきた。
「ヘム！ ヘムゥ、ヘムヘムゥ！」
学園長先生が呼んでいる、と言われ、私は食べるスピードを上げる。
朝会のことについてだろう。
始業前にするならば、そろそろ準備に取り掛かるべきだ。
マイクなどの機材を操作するのは学級委員長委員会の仕事だ。
勘右衛門も三郎と一緒に、食堂を出て行く。
「A」
食べ終わったお盆を返して私も食堂を出ようとした時、兵助が名前を呼んだ。
どうしたの、と私が首を傾げると、さっき合流した八左ヱ門、雷蔵と顔を見合わせて兵助が笑う。
「「頑張ってね」」
三人で声を揃えてそう言ってくれて、私はフッと笑顔になる。
「うん、ありがとう。行ってくる」
不安だった気持ちは消え、私は真っ直ぐにヘムヘムと歩いていった。
校庭に着くと、既に父様や半助兄様達が私を待っていた。
「すみません、遅くなりました」
私は軽く頭を下げると、今日話すことの最終確認を始める。
皆への謝罪は一人で台に乗って。
親子関係の公表は、父様、半助兄様と一緒に三人で。
父様には謝罪の時も一緒にいる、と言われたけれど、私はそれを断った。
自分がしたことの責任も自分で取れないようではダメなのだ。
先生方から連絡があったのだろう、徐々に忍たまたちが校庭に集まってくる。
緊張する気持ちを抑えるように、私は固く手を握った。
「怖いか？」
半助兄様から心配そうに聞かれ、私は首を振る。
大丈夫だ。覚悟はとっくにできている。
「頑張れ」
生徒たちの列に混ざっていく勘右衛門と三郎が、私の横を通る時に私の頭をポンッと叩いてそう言ってくれる。
私はこくりと頷いて、スッと前を向いた。
さぁ、始めよう。
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冴川冬香(プロフ) - j061191さん» ありがとうございます！ 沢山楽しんでいただけるよう、頑張りますね！ (2020年6月26日 18時) (
レス) id: 33f8ec8fc5 (このIDを非表示/違反報告)
j061191(プロフ) - 面白くて�気�ら一気に読みました！兵助くん大人しそうにみえて意外と大胆な所もあって…続きが楽しみです。 (2020年6月26日 0時) (レス) id: ad5fefd1f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冴川冬香 | 作成日時：2020年6月6日 8時
