感情が"視える"不思議な子 ２

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平「A」


田村「A」


A「？田村先輩？滝夜叉丸先輩？」


少し、むす〜っとした顔をした二人が僕に近づいた。


平「私が先だぞ」


田村「.....分かったよ....」


A「？？」


なんの話をしているのかな.....

田村先輩から『悔しい』の感情が見えるけど....


平「A、おいで」


両手を広げ、優しい笑顔で僕を見た。


A「あ、え、えと.....」


どうすればいいのかな.....


綾部「飛び込んであげなよ。最近、疲れてるんだって」


A「あ、はい....」


綾部先輩は、僕にそう耳打ちした。

滝夜叉丸先輩からは『疲れ』の感情が見えるから分かるけど....


果たして僕なんかで需要になるのでしょうか....


A「.....」


綾部先輩から離れて、そろそろと滝夜叉丸先輩に近づいた。


平「っ〜〜っっ！ん.....」


何かを堪えたような顔を一瞬し、僕を抱きしめた。


A「ん、むぅ.....」


滝夜叉丸先輩、バラのいい香りがするし、抱きしめられると落ち着く。

少し苦しいけど....なんか、お母さんみたい.....


A「ん、ぅ.....」


平「...ん.....」



田村「なんか、微睡んでないか？」


綾部「Aは、滝夜叉丸が落ち着いて、滝夜叉丸は疲れでかな？」


タカ丸「どうするの？」


綾部「寝かせてあげます？滝夜叉丸、最近無理しまくって、酷いことになってましたし」


タカ丸「そうだねぇ.....」



そんな会話をしていると.....


平「ん.....」


A「ふぎゅっ！」


三人「あ」


滝夜叉丸が先に寝落ちたのか、Aを下敷きにして倒れた。



平「ん、くぅ.....」


A「た、かまる、せんぱいっ.....」


滝夜叉丸に下敷きにされ、タカ丸さんに手を伸ばすA。


タカ丸「ありゃ、よいしょ....あれ」


綾部「うわ、離さない意志を感じる」


Aの服を掴み、意地でも離そうとしない滝夜叉丸。


A「苦しいです〜っ！」


田村「滝夜叉丸転がして、抱きしめる形にするか」


綾部「だね」


Aの上に乗っかった滝夜叉丸を転がし、Aを抱きしめる形にさせた。


田村「A、すまないがそれで耐えてくれ」


A「はぁい....」


諦めて、目を閉じたA。


田村「これ言うと、滝夜叉丸に癒されてるみたいで言うのは癪だが、なんか、癒されるな」


綾部「滝夜叉丸のこんな幼い顔初めて見たもん」


タカ丸「ね〜」


そんなことを話した、三人であった。

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