壊れた忍

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庵



A「俺を殺せ」


大川「おやおや。せっかく生かしてあげたのにか」


A「俺は死んだ。さっき、あいつに俺の髪を届けた。もう生きている意味が無い。殺せ」


大川「ワシが生きろと言ったら、お主はどうする？」


A「さあな。こんな、感情も心も壊れた俺なんか、いるだけ邪魔だ」


例え、生きていたとしても、俺にはもう......


俺には、何も無いから。


生きている意味なんて、理由なんて、もう無い.....


伊作「社.....A」


A「なに」


伊作「生きて」


A「！」


俺の隣に座っていた善法寺伊作が、俺の頬を両手で包んだ。


伊作「生きて」


A「俺には、居場所がない。お前はなぜ、そこまでする。俺は、仮にも......」


伊作「殺そうとした。けどそれは、君の意思じゃない。それに、学園長先生は生きてる。僕にはそれでもう十分。だから......だからっ！」


A「.....なぜお前が泣く」


俺を見つめながら、綺麗な瞳から涙を流す善法寺伊作。


綺麗。


人の目は、ここまでキラキラと輝くものなのだな.....


初めて、知った......


伊作「だって、君はッ.....優しいじゃないか.....」


A「！.....俺、が.....」



やさ、しい......？


何を言っているんだ、俺が、優しい？


伊作「お願い、死のうとなんて、しないで.....生きて.....A」


A「いき、る......」





こんな俺が、生きてても、いいのだろうか......




こんな、穢れた俺が、生きていても、いいのだろうか......

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