壊れた忍

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伊作「そうだ、自己紹介まだだったね。忍術学園、六年は組で、保健委員会委員長の善法寺伊作だよ。よろしく」


A「社、社Aだ」


保健委員会？

なんだ、それ。


知らない言葉だ。

この学園は、色々と不思議なのだな.......


伊作「君は、松川一族の子供だね。でも、なんで社？」


A「母の旧姓だ。松川なんて、名乗りたくないからな」


伊作「そっか.....！」


A「！」


自己紹介をしていると、突然外から鳥の羽音が聞こえた。


伊作「開けるね」


A「ああ」


そっと襖を開けると、中に勢いよく入ってきた一羽の鳥。


A「お前は......」


任務先でよくあいつに手紙を届けてくれた、梟。


A「ああそうか。俺の帰りが遅いから、あいつが怒っているのか。なら......」


懐から苦無を取り、自分の髪に押し当てた。


伊作「え、ちょっ......」


そして、髪の毛を切り落とした。


A「これをアイツに届けろ。俺は死んだと、そう伝えてくれ」


髪の毛を束にして梟に咥えさせると、そのまま飛び立って行った。


伊作「ちょっ、なにしてるの？」


A「もうあいつのところには帰りたくない。俺は死んだ。松川Aは死んだ。それでいいだろう」


伊作「.....学園長先生の所に、行こうか」


A「ああ」






善法寺伊作に手を引かれ、庵へ向かった。

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