壊れた忍

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A「っ.....」


七松「！」


俺の苦無と七松小平太の苦無が鋭い金属音を立てて、ぶつかった。


一発でわかる。

ビリビリと腕に響く痛み。


この人は、誰よりも強い。


A「っ.....ふっ」


一度離れ、もう一度攻撃を仕掛けた。


七松「なははっ！甘いぞ！」


A「！」


俺の持っていた苦無が弾き飛ばされた。


七松「終わりだ！」


こいつ、怪我させる気満々か。


まあいい。


A「.......」


七松「なっ！」


俺に向かった苦無を片手で掴んだ。


A「.......」


苦無を握った左手からは、ボタボタと血が流れ、地面に滴り落ちた。


A「舐めるな」


苦無を掴んだまま、回し蹴りをした。


七松「ぐっ！」


七松小平太は避けきれず、俺の足が首にあたり膝を着いた。


立花「ほう、小平太に一撃与えたか」


A「......」


立花仙蔵の声に答えず、弾き飛ばされた苦無を拾った。


A「.......」


握力がまだ弱いのか。


いや、七松小平太の力が強いだけか。


じっと、俺の苦無を見た。



それより、なぜ誰も声をあげないのだろうか。


さっきから、同輩や先輩たちの声が聞こえない。


立花仙蔵の声が最後だな。







何かあったのだろうか。

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