壊れた忍

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A「.......」


ここは、綺麗だな.....


みんなが生き生きとしてる。


草花も、木々も、全て.......


A「こんな綺麗なところに、俺がいていいのだろうか......」


ジッと自分の手のひらを見つめた。



穢れた手だ。



たくさんの人を傷つけ、痛めつけた穢れた手。


俺なんか、俺なんか......


タカ丸「君が、編入生？」


A「？」


ぼーっと庭を見つめていると、鈴を転がしたような優しい声が聞こえた。


声のした方に振り向くと.....


A「！」


陽の光に照らされてキラキラと光る美しい髪。

誰よりも穏やかだというようなタレた瞳。

そして、鈴のような声を発するぷっくりとした口。




俺には、眩しすぎる......


タカ丸「少しだけど、学園長先生から話は聞いたよ。俺は斉藤タカ丸。君は？」


A「社、A......」


タカ丸「よろしく、A！」


ふわりと花が咲いたように笑う斉藤タカ丸。


そのまま、俺の手を握った。


A「っ！触らない方がいい、俺の手は......」


タカ丸「穢れてない。とっても綺麗な手だよ」


A「！」



不思議なやつだ。


不思議で、俺の作る壁を乗り越えてくる。




でも不思議だ、嫌では無い......


タカ丸「学園、案内するね」


A「ああ」






斉藤タカ丸に手を引かれ、学園内を歩き始めた。

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