鉢屋家の次男 参

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三郎「.........」


雷蔵「わあ」


竹谷「すげぇ、落ち込んでんじゃん」


五年長屋の一室で、両手で顔を覆い、すごく落ち込んでる三郎を見つけた。


尾浜「何をどうしてそうなったの？」


兵助「Aと何かあったのか？」


三郎「Aに、嫌われたかもしれない.......」


他「はぁ？」


Aに嫌われた？

そんな、嫌われるようなことしたのかな。


三郎「Aを、心配したつもりだったのだがな......」


訳を聞くと、実習後で落ち込んでると思い、Aに話しかけた。


心配をしていたつもりだったけど、どうやらAにはそれが逆効果だったらしい。


雷蔵「三郎も不器用だからねぇ.......」


三郎「もういやだ、死にたい......」


尾浜「どうするの。これ、来週まで持ち越したら、俺達の実習まで支障きたしそうだけど」


竹谷「ちゃんと仲直りしろよ」


三郎「Aにうるさいと言われたのだぞ！？無理だ、行けない.....」


兵助「難儀だな.......」


雷蔵「.......」


でも、そのAを放っておいたら、良くない気がする。


なにかが、ある。


これは、ずっと三郎といた僕だから分かる。

三郎がどれだけAを愛しているか、Aがどれだけ三郎を慕っているか。


だから余計、嫌な予感がするんだ。


雷蔵「ごめんね、少し席を外す」


竹谷「ああ、気をつけてな」


雷蔵「うん」



さて、Aはどこにいるのかな。



少しだけ、嫌な予感がする。




僕は、歩みを速めた。

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