ボッチくんの奮闘 二

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そして、学芸会の日.....


順番は、抽選で行われた。


一番 一年生『泣いた赤鬼』

二番 五年生『桃太郎』

三番 三年生 『小狐丸』

四番 二年生『一寸法師』

五番 六年生『酒呑童子』

六番 四年生『白雪姫』


という順番と演目になっている。


A「う、うぅ.......」


バックンバックンと心臓が大きな音を立てている。

うえ、うえぇっ.....きん、きんちょう、するっ.....


タカ丸「ありゃ、Aのあがり症出ちゃったか......」


綾部「まあ、無理もないですよ。この観客の人数じゃ.......」


そう、今日の観客は生徒先生はもちろん、金楽寺の和尚様やお城の姫様、何故か分からないけど、タソガレドキさんがいる。


要は、いつもの倍以上の人数がいる。


A「う"ぇっ、おぇっ.....ひぐっ、ひっく.....」


平「これは、舞台できるのか？」


田村「先行きが不安なんだが.......」


僕たち四年生の順番は、まだまだ先だけど......

むり、むりっ.....

緊張するものは、するもんんっ......


綾部「どうしよっか」


タカ丸「このままじゃ、舞台も不安だよ」


うーん.....とみんなが頭を抱えた。


広大「あ〜、やっぱりAはダメだったか」


A「ごっ、ごうだい"ぜんぜぇ〜〜っっ」


ぎゅうっと先生に抱きついた。


広大「あの人数じゃ、緊張するよな。うーん、じゃあやめるか？」


タカ丸「え！？」


綾部「しー」


タカ丸「！ｺｸｯ」


驚きの声を上げたタカ丸を止めた喜八郎。


A「ぅえ.....？」


広大「緊張するのは誰も同じだ。でもお前は、人一倍緊張するな。じゃあ逃げちゃうか？その方が、楽だぞ」


A「にげ、る......」


広大「嫌なら逃げればいいさ」


A「っ......」


ぼく、にげたい......

けど、逃げたらせっかく完成させた舞台が.....いっぱい頑張った努力が、水の泡になる.....


逃げたい、逃げたい.....こわい.......



けど.....


A「ﾌﾙﾌﾙ......や、るっ.....」


涙をグジグジと拭い、立ち上がった。


A「ぼっ、ぼくの、せいで......だい、なしに.....したく、ないっ！」


広大「そうか。じゃあ頑張れよ」


A「は、はいっ！」


ポンポンと頭を撫でてくれた。


せっかく完成させた舞台、成功、させるんだっ！

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