俺は兄離れができない！！！

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雷蔵「作ってきました......A、おはよう」


A「ん、はよ」


兄ちゃんが、土鍋を持って医務室に帰ってきた。


早く食べたいな......

でも.....


伊作「ありがとう、雷蔵」


雷蔵「いえ。さ、A。食べて？」


土鍋の蓋を開けて、小皿にお粥をよそった。


すごい美味そう。


食べたい。


食べたいのに、怖い......


雷蔵「食べないの？」


A「いらない」


ぷいっとそっぽを向いた。


伊作「！」


視界の端で、伊作先輩が顔を顰めるのがわかった。


俺だって普通に食いてぇよ。


でも、怖くて食べられねぇの。


雷蔵「A、あーん」


A「！いらない！」


兄ちゃんが、俺の口元に蓮華に入ったお粥を差し出した。


雷蔵「お兄ちゃんが作ったのに、信用出来ない？」


A「.......」


雷蔵「毎回毎回、料理に毒なんて入れるわけないだろう？特に、病人のご飯になんてさ」


A「でも.......」


雷蔵「大丈夫。ほら、あーん」


A「っ、ん.......」


ぱくりとお粥を食べた。


伊作「食べた」


A「ん......」


うまい....

毒の味がしない......


おかゆ、おいしい.......


A「っ.....」


目からボロボロと涙が溢れ出した。


雷蔵「！.....大変だよね。大丈夫、大丈夫」


A「っ、ふ、うぅ.....」


拭っても拭っても、涙が止まらない。


兄ちゃんのおかゆ、おいしい.....


伊作「これは暫く......」


雷蔵「ご飯に混ぜるのはやめましょうね」


伊作「だねぇ」



普通のご飯.....なんなら、食堂のご飯よりは美味しくないのに、涙を流しながら食べるA。


これは、三年生も相当ストレスになってるなぁ......


伊作「授業内容の変更、学園長先生にしてみるよ」


雷蔵「そうですね」



その方が、きっといいだろう。

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