とある忍たまは隠れていたい ４

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A「すぅ......」


黒木「寝ちゃいましたね」


三郎「そうだなぁ.....」


鉢屋先輩の背中で眠るA先輩。


僕たちを守ってくれた時、かなり手が震えていた。


先輩も怖かったんだなって思った。

だって、あまり顔に出ない人だから......


尾浜「いやぁ、まさか泣くとは思わなかった」


三郎「さすがに俺もビビった」


彦四郎「先輩、泣きませんもんね」


尾浜「うん。静かに泣くのはあるけど、あんなに大泣きしたのは初めて見た」


命のやり取り......鉢屋先輩は、そう言った。


Aは、自分の命よりも後輩の命を取ったと。


あの時の先輩の顔は、僕は一生忘れない。


カタカタと震える手、無理して表情を隠す顔。


その目は、恐怖と不安が宿っていた。


三郎「Aは、顔に出さないだけで、結構怖がりだからな」


黒木「怖がりじゃなくても、あの場面は怖いです」


尾浜「まあ、かなり絶体絶命だったからね」


彦四郎「でも、A先輩かっこよかったです」


俺だって、先輩だよ。って言った。


ひとつ上なのに、すごくかっこよく見えた。


尾浜「Aはね、後輩にかっこよく見せたいんだよ」


黒木「でも、たまには弱みを見せて欲しいです」


彦四郎「うん」


三郎「なに、大丈夫さ。そのうち頼るようになる。Aは、よく見てるから」


彦四郎「そうですね」




夕日に照らされながら、僕達は学園に帰った。

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