感情が"視える"不思議な子

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A「わ、うさぎさん！」


竹谷「最近生まれた子うさぎなんだ。抱っこしてみるか？」


A「いいのですか？」


竹谷「ああ！ほら....」


白い兎さんを一匹、僕の手の上に乗せた。


A「わ、小さい.....かわいいっ」


両手の平くらいの大きさの兎さん。

すごくかわいい....


A「わ、わっ！」


ペタンと座り、うさぎさんを膝に置いて撫でていたら、他のうさぎさんが僕の周りに寄ってきた。


A「ふふ、もふもふですっ！」


竹谷「Aは、動物に好かれるんだな」


A「そうなんでしょうか.....あ、でも.....小さい時、狼さんに攫われたことならあります」


竹谷「はい！？攫われた！？」


A「はい....幸い、食べられはしなかったんですけど....服とか髪の毛がべしょべしょになるまで舐められました」


竹谷「好かれすぎだな、それ.....でも、動物に好かれると、いいこともあるぞ」


A「いいこと？」


竹谷「動物はな、意外と俺たち人間のことをよく見てる。優しくしたり世話をする分だけ、動物たちは恩返しをしてくれる。だから、Aも動物を愛してあげるんだぞ？」


ポムっと頭を撫でられた。


A「！はいっ！」


竹谷先輩は、優しくて、強い信念を持ってる。

動物や人をこよなく愛し、世話を焼く。


竹谷先輩は、それに見返りを求めるわけでもなく、ただ自分がしたいからやる。



A「竹谷先輩は、すごいですね」


竹谷「そう、か？」


A「はい、少なくとも....僕が出会ってきた人の中では、一番強い信念を持っていて、とてもかっこいい人です」


竹谷「！ありがとう.....ふ、ぁ....そろそろ寝るか」


A「一緒のお布団ですか？」


竹谷「？悪いことでもあるか？」


A「い、いえ.....僕、体温が少し高いので、暑いかもしれないです.....」


竹谷「大丈夫！さ、布団に入ろう」


A「はい！」

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