【まふまふ】家族だった彼らは今どうしているのだろうか。【天月】 (ページ11)

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天「A！Aはいつかここを出たらどうする？」

『えー？うーん…天月とまふといっぱい遊ぶ！』

ま「それじゃ今と変わんないよ～ｗｗ」

いつもどおりの自由時間
何気なく天月がふった疑問

ずっとずっと、二人と一緒だと思っていた

孤児院の皆は家族なのよ、が先生の口癖で
家族はいつまでも仲良く暮らしましたとさみたいな、御伽噺の世界を本物だと思い込んで

先生「翔くーん。今日は翔くんの番だって言ってたでしょー？はやくおいで！もうｗ３人とも遊びに夢中でｗｗ」

天「あっ忘れてた！ちょっと行ってくるね！帰ってきたら探検しよー！！」

時々ある、知らない大人と会う時間

引き取る子供を選んでいるとも知らないでいってらっしゃーいって手を振った

ま「天月帰ってくるまでなにしようか？」

『天気予報みにいこ！リベンジしよう？』

ま「そうだね！天月よろこびそうっ」

手を繋いでテレビの元まで走って…

３０分したら帰ってきた天月に夜の天気を伝えた

三人で両手を上に上げてよろこんで…

今日はきれいに月が見れるね…って

でも

先生「Aちゃーん？どこ？」

『せんせい！なぁに？』

先生「本当仲のね？翔くんと真冬君ｗｗｗｗ」

悲しそうに、嬉しそうに笑ったせんせいの心を知るだけの頭が
この頃の私たちにはなかった

しばらく二人の大人とお話していて、今度は私の面会の番なんだって
終わったら、天月とまふと一緒に窓辺に張り付いて夜を待とうって楽しみにしていた

先生「Aさん、準備ができました。Aちゃん？お外にみんな居るからばいばいしてね？」

『なんで～？』

先生は黙って私を撫でた

大人と手を繋いで、手を振るみんなみわたしも手を振り替えした

とりわけ大きく手を振っていた天月とまふまふに夜までに帰ってくるね！て手を振った

片方の手を繋いでいた大人が

「今日からAちゃんはAAよ？」

「お父さんとお母さんと、幸せに暮らそうな」

って、私を撫でた

お出かけなんて初めてで、わくわくしていたことを覚えている

夜になっても帰れなくて泣き喚いたことも覚えている

『天月！まふまふ！！！』

遠くなった記憶に、手を伸ばすと
見慣れた自分の部屋の天井に向かって腕を突き出していた

『ゆめ…じゃないよね』

目からあふれる涙で、手繰り寄せた布団をぐしゃぐしゃに濡らした

『元気にしてるかなっ…』