smile again. 【2】 (ページ7)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:11,801 hit

episode.54 ページ7

.

海風にでも当たろうと
私はふらっと海へやってきた

街灯の明かりだけで少し怖いけど
ここへ来るとなんだか落ち着く

海風が気持ち良かった

そのまま砂浜へと腰を下ろし

膝を抱えたまま
押しては返す波をただ眺めていた

こんな事をしていても仕方ないのは
自分でも分かってる

次に進まなきゃ

でもそう思えば思うほど
胸が苦しくなって
気持ちが追いつかなくなるんだ･･･

『･･･さむ、』

10月の夜の海は少し冷える

薄着で来てしまった事を後悔した

『っくっしゅん！！』

はぁーぁーー。

帰ろうかな

そう思った時だった

｢え、一ノ瀬さん？｣

その声の方へと振り向いた

『･･････！？』

私は驚きのあまり声が出なかった

｢やっぱそうだよね？
何してんのこんな所で｣

そう言いながら人影が近づいくる

『･･･え？二階堂くん･･････？

なんでこんなとこに』

｢この近く通ったから｣

そう言って私と同じように
膝を抱えて座る

こんな時間にこんな所で、、

しかもスーツ姿の二階堂くん

『仕事帰り？』

｢まあね、みつと千賀とで呑んでた

そんで酔い醒ましにと思って｣

『そっか、夜の海気持ちいいもんね』

｢うん
一ノ瀬さんは、何で？｣