episode.69 ページ22
. (高嗣side.)
｢遅かったね〜！
ニカ、ちゃんと俺のクリームソーダ
頼んでくれた？｣
『･･･あ、忘れてた！』
期待に満ちた宮田の顔に対して
俺は罰の悪い顔をした
｢ちょっとニカ〜泣｣
｢俺が頼んでやんよ｣
みつが呼び出しボタンを押した
｢藤ヶ谷なんか食う？｣
｢俺はもういい｣
｢Aちゃんは？｣
｢私も大丈夫です。
ありがとうございます｣
｢ニカと千賀はラーメン食うべ｣
｢じゃぁ、僕醤油で｣
『俺豚骨ね！』
その間、一ノ瀬さんは静かに
溶けたクリームソーダを飲んでいた
『ねぇ一ノ瀬さん
ラーメンちょっとだけ食べてみない？』
「え？」
『だってぜんぜん食べてないでしょ？
ここの豚骨上手いから！』
俺はなるべく明るく振る舞った
｢じゃぁ、少しだけ･･･｣
どうにか沈んだ表情の一ノ瀬さんを
元気付けたかったんだ
ラーメンを小鉢に移して
一ノ瀬さんに渡した
｢ありがと。いただきます
････ん、美味しい！｣
『でしょ！？
けっこういけるでしょ！』
｢私あんまり
豚骨たべないんだけど
すごく美味しいね｣
少しだけ笑顔になる彼女
喜んでくれて良かった
俺は口には出さず心の中でそう思った
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作者名：miimaru. | 作成日時：2019年6月16日 22時
