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そんな話をしているとせんせーの触手が体に巻きついた。


殺「口は閉じていてくださいね」


「へ、なに」


私が理解していない間にせんせーはビュンッ!!!!と空へと飛んで。


声も出ず、驚いているといつの間にかもう海の上。


「ちょ、どこに行くつもりで!!!」


殺「Aさんには世界を見てもらいます

どれだけ自分のいる世界が小さいかが知れますよ」


そんなの知ってしまったら私は、


そう思いながら目の前に広がる海を見た。


どこに行っているのだろう。


英語が通じる所だったらいいのだけれど。


数十分私はせんせーの授業を受けながらどこかに連れていかれた。


そして着いた先はブラジル。


世界で一番美しいと言われるサンチョ湾ビーチだ。


日本と真逆のこの場所は太陽が登っていて朝だ。


せんせーは見つからないところに降りたが、海がもう見えていた。


私が海が好きだからこの場所に連れてきたのだろうか。


せんせーに下ろされてフラフラと海に向かって歩く。


いつも見ている海とは全く違う、


透き通った海。


瞬間、涙がポロポロと流れ出た。


幼い頃から旅行など無縁。


これからも海外など来ることはないと思う。


人生で最初で最後になるだろう。


海が好きな私にとって、綺麗な海を見て私は今まで考えていたことがバカバカしくなった。


私は海に足をつける。


ベランダから連れてこられたため靴は履いていない。


思っていたより冷たい海水がちょうど良くて。


世界にはこんな綺麗な場所があると言うのに私の心は汚れている。


それが全て洗い流されているようだった。


膝まで浸かる所で止まり、私はそのまま地平線を見る。


自分のこと、東卍のこと、


お兄ちゃんたちのこと、


見栄張って、プライド高く、気丈に振舞って、


全て疲れていたのだろう。


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美海(プロフ) - ayakaさん» そう言ってもらえて嬉しいです🥺更新楽しみに待っていてください☺︎ (2021年11月15日 7時) (レス) id: 8493b8cb9c (このIDを非表示/違反報告)
美海(プロフ) - 蓮さん» 笑い要素も必要かな〜って👍 (2021年11月15日 7時) (レス) id: 8493b8cb9c (このIDを非表示/違反報告)
ayaka(プロフ) - もうほんとこの作品大好きすぎる😍😍いつも楽しみにしてます! (2021年11月15日 0時) (レス) @page13 id: b36e270980 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - お兄さんが心配でならない人!!私かい、!!が好きすぎるwww (2021年11月14日 11時) (レス) @page8 id: 6d37bdf342 (このIDを非表示/違反報告)
美海(プロフ) - 優さん» わぁ、それはすみません笑更新楽しみに待っていてください☺︎ (2021年11月11日 7時) (レス) id: 8493b8cb9c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美海 | 作成日時:2021年11月7日 13時

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