. 元東卍メンバーは公安警察の警部さん ３

. ページ34

.


デザートの時間も終わり、最後が近づいてきた。


そろそろか、と思っていると会場が一気に暗くなり、顔を拭きに行っていたマイキーが薔薇の花束を持って光に当たりながら会場に入ってきた。


｢え、｣


私が戸惑っていると、スタッフからマイクを受け取ったマイキー。


ﾏｲｷｰ｢A、｣


アテンドさんに連れられて高砂を立ち、マイキーの前に行く。


｢はい｣


ﾏｲｷｰ｢Aにはずっと俺、わがまま言ってる。


初めて出会った時、俺自分のモノみたいに撫で回してさ。
俺らが怪我した時ずっと怒りながら手当してさ。

ケンチンとAが俺の後ろで背中を守ってくれたから俺は今ここにいる。


真一郎が死んで、場地が死んで、エマが死んで


俺が黒い闇に包まれそうになった時

タケミっちとAは俺を連れ戻してくれた。

過去を変えて今を変えてくれた。

俺、ここに立てていることが今めちゃくちゃ嬉しい。｣


私は頷きながら聞いていると、マイキーは膝を着いた。


ﾏｲｷｰ｢A、俺と幸せになって

一緒に死んでください｣


｢っ喜んで｣


薔薇を受け取るとマイキーは私の脇の下に手を入れてドレスにも関わらず軽々と持ち上げた。


するとパッと電気が消え、スクリーンが出てきた。


私も知らないし、このことはマイキーも知らなかったようで。


アテンドさんが椅子を持ってきて座らせてくれた。


千冬『さて今日はここ、渋谷に来ています』


｢千冬？！｣


私とマイキーは千冬の方を見ると照れたように笑っていて。


見ていると私達が出会ったところや、武蔵神社、


抗争があった所だったり中学が写った。


千冬が行くところ行くところにケンちゃんやタカちゃん、


パーなどがいて皆がいつの間にか集まっていた。


それぞれお祝いの言葉を言ってくれて私は涙が止まらなかった。


最後の場所は、場地のお墓。


前にはペヤングが置かれていて。


パッと移り代わったかと思えば、ピチピチの昔の特服を着た皆が写った。


高校の成長期で特攻服はピチピチで。


私はその姿を見て笑みを零した。


｢もうギリギリじゃん、｣


ﾏｲｷｰ｢だな、｣


｢マイキーは着れるんじゃない？｣


ﾏｲｷｰ｢俺あれどっかいった｣


｢まじ？｣


そんな話をしていると三ツ谷が私達のところに来た。


三ツ谷｢俺らの総長と総長補佐はお前らしかいねぇ
これ、受け取ってくれ｣


そう渡してきたのは綺麗な特攻服。


昔と変わらない、真っ黒な特攻服

.

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す