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｢でもまた、どうして｣
ズビッと鼻を啜り、ハンカチで涙を拭く。
宥められた私は椅子へと座らされた。
宇髄｢胡蝶姉妹が思い出してから次々にな。
何故かは知らねぇ。
全員急にだ。｣
｢善逸や玄弥はまだ、ですよね｣
今日のお昼も別に何も変わらなかったし。
不死川｢お前、聞いてねぇのかァ？｣
｢え、何がですか？｣
産屋敷｢善逸も玄弥も思い出しているよ｣
｢それじゃあ、あとは炭治郎だけ、｣
私の言葉に少し動揺をみせた柱。
産屋敷｢炭治郎は、
“記憶が元々あったんだ”｣
｢........え？｣
時が止まったような気がした。
炭治郎に、記憶があった？
動揺を隠せないでいると、宇髄さんが立ち上がってどこかに行ってしまう。
ガラガラっと閉まっていたドアが開いたと思えば、宇髄さんが誰かに話しかけた。
宇髄｢聞き耳たててねぇで入ってこい｣
複数の足音が聞こえたため、ドアの方を見ると善逸と玄弥、そして炭治郎が入ってきた。
我妻｢ごめんね、今日言えば良かったね｣
炭治郎は気まづそうに立っていて。
｢ねぇ炭治郎、
いつから？｣
竈門｢禰豆子が生まれた時。
Aと初めて会った時にはもう記憶があった。｣
｢だったらなんで、
もっと早く、｣
ギュウッと手を握り締める。
竈門｢Aが覚えているか分からなかった。
それにまたAに恋に落ちたんだ、｣
｢そんなのっ、
理由になんないし、｣
涙をまた流し、椅子から立ち上がる。
そしてこちらまで来ていた炭治郎に抱きついた。
竈門｢ごめんな、｣
｢ばか、｣
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作者名：美海
| 作成日時：2020年12月11日 17時
