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私が居ないかのように話し始める二人。
まぁ別にいいけどさ。
そう思いながらも、スマホを触る手を止めてチラリと二人を見た。
カナヲを見ただけで炭治郎のことが好きなのは一目瞭然。
別に前世で付き合っていた私に、今も尚恋愛感情があるかどうかと聞かれれば分からないと答える。
だが中々気まづい部分が多い。
ま、いいか。と思っていると手に持っていたスマホがバイブした。
画面を見ると従兄弟から電話で。
音がなったため、二人がこちらを見る。
「あ、ごめんね電話。」
画面をタップして電話に出る。
「なに?
童磨」
童磨『はは、相変わらずのようだねぇ
今こっちに帰ってきてるんだけどさ、家行っていい?』
「家?それお母さんに聞いてよ
なんで私に聞くの。」
童磨『おばさん連絡つかなかったから電話してるんだよ』
童磨は従兄弟。
母の姉の子。
私より三つ上の大学生。
何故親戚になったのかは、童磨が記憶を思い出してから直ぐにわかった。
童磨は前世、鬼でもあったが万世極楽教の教祖だったそう。
まだ人間だった時、父方の妹が嫁いだ先が“徳田家”
私の祖先だったのだ。
その血の繋がりから現代では従兄弟となった。
初めは毛嫌いをしていた。
でも童磨は中学上がるまで記憶などなかった。
私が毛嫌いしているにも関わらず優しく接してくれて。
思い出す様子もなかったため、諦めて従兄弟として関わり始めて二年ほど経った時に、童磨は無惨と出会い思い出したのだ。
無惨は現在どこかの会社の社長をしているとか。
よくテレビで見かける。
童磨『聞いてる?』
「え、あー、今帰ってる途中」
童磨『じゃあ会えそうだ』
プツンと切られた電話。
え、と思っていると心配そうに見てくる二人の顔が見えた。
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作者名:美海 | 作成日時:2020年12月11日 17時