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ご飯も食べ終わり、教室に戻ろうと階段を降りていると腕を掴まれた。
｢え、｣
振り返ると伊之助が立っていて。
先に歩いていた炭治郎が私が止まったことにより振り返る。
｢伊之助、｣
伊之助｢話すことがある｣
｢、うん
ごめん炭治郎、先戻ってて｣
私と伊之助は再度屋上へと上がる。
まだ五限までは時間はある。
伊之助｢記憶は、｣
｢あるよ、伊之助もあったんだね｣
珍しく静かな伊之助。
｢宇髄さんは伊之助と会ってなかったから分からなかったのか｣
伊之助｢あのおっさんも記憶あんのか！！｣
｢うん、あるよ。
ごめんね、伊之助｣
私は苦笑いをする。
伊之助｢中学、炭治郎と一緒なのが嫌だったんだろ｣
｢うん。
あの時、炭治郎と離れなければ私はやっていける気がしなかった。
隣に立つことが、
炭治郎の中に“鬼殺隊の徳田A”がいないことがとても辛かった。
皆と会うかもしれない、
そう考えたら逃げちゃって。
伊之助が覚えていたのなら来ても良かったかな｣
ふにゃりと笑うと、伊之助はぎゅうっと抱きしめてくる。
伊之助｢もう一人じゃねぇ｣
｢ありがとう、｣
同期で一人でも覚えている人がいるだけで本当に心強い。
キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴ってしまったため、私たちはバタバタと走って屋上を後にした。
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作者名：美海
| 作成日時：2020年12月11日 17時
