. 前世は鬼殺隊、その記憶ございます。３

３８ ページ38

.


お父さんもお母さんも珍しく涙を流していて。


私はニッコリと笑ってから童にぃを見る。


｢そして、ずっと妹のように可愛がってくれて、

ずっと面倒を見てくれた童にぃへ｣


童にぃは思ってもみなかったのか目を見開いて。


｢童にぃにはいつも我儘を言っていました。

学校まで迎えに来て、晩御飯奢って、ショッピングモールに連れて行ってと、研究で忙しい中いつも私の我儘に文句も言わず付き合ってくれて。

受験勉強の時、童にぃは教えてくれたね、

責任だから、って。

罪滅ぼしとまではいかないけど私が幸せになるまでずっと見守ってくれて。

童にぃ、

今までありがとう。

もう私は一人の大人として貴方から卒業します。

高校生の頃のように我儘ばかりは言わないけどたまには私の我儘聞いてくれたら嬉しいです。

昔のことはもう後悔しないでください、

私は怒っていないし、ここまでしてくれたら何も文句もない。


だからこれからは責任とか昔のことを忘れて、一家族として

見守ってください。

童にぃがいたから高校で皆に出会えて、杏ちゃんとまたこうして居るようになれて、

大学に進学ができました。

童にぃが居たから、今の私が居ます。

私に道を作ってくれてありがとう。｣


童にぃの優しい目から涙が流れた。


生きてきて、初めて見た涙。


叔母さんや叔父さんの前でも余り泣かなかったのか、二人も驚いていて。


私は童にぃの傍に行って抱きしめる。


｢ありがとう、お兄ちゃん｣


私の経った一人のお兄ちゃん。


.

３９→←３７

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す