夢語神龍壱【名前固定】 (ページ24)

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一節　二十四部ページ24

先手は黒龍だった。
　黒龍は黒刀を鞘から取り出し、少年に攻撃していく。
　少年はニコニコと笑いながら黒龍の全ての攻撃を避けた。
　ずっと腕を後ろで組んでクルクルと回りながら避ける少年に黒龍は馬鹿にされているようでたまらない。

「反撃はしねぇのか？」
「ん〜武器がないもんで」

　へらりと少年は笑いながら後ろに下がり言う。

「へぇ、そりゃよかった！」

　一気にスピードを早めていった黒龍。連続で攻撃をし、時々避けきれないだろう所を斬る。少し変わったやり方に少年も防ぎきれなかった。

「おわっ！？っと……あっぶなぁい」

　彼はギリギリで避けるが防ぎきれなかった分、服が少し裂け首も少し切れて血が出ていた。
　切れた首を抑えながら詰められていた黒龍との距離を取る。

「ちっ……そのまま死にゃよかったのに」
「よかったぁ死ななくて」
「ずっとニコニコしやがって……その顔ほんとムカつく」
「ほんと〜？ならこの顔でよかったぁ」

にこーっと頬を突きながら笑うおちゃらけた少年に黒龍はさらにキレる。

「やっぱお前死ね！！」
「え〜？やぁ〜だ♡」

　彼は身軽なのかヒラヒラと黒龍の攻撃を避け続ける。
　すると突然黒龍はピタリと動きを止めた。

「おや？どうしたの？」

　少年はニコニコしたまま黒龍を見る。黒龍は少し冷や汗を垂らし、少年を睨みつける。

「…お前、いつからここにいんだ」
「いつからだろうねぇ」

　黒龍がそれを問うのは理由があった。
　いつの間にか黒龍の周囲には、見えない仕掛けが大量にあったのだ。黒龍はその微かな仕掛けの糸の存在を感じ取りギリギリで避けた。この糸は、触れた瞬間触れた部分が斬れる。いつの間に宙に浮いていた少年は目を細め妖しく笑う。

「どこで気付いたの？」
「お前の動きが変でな、少し無駄に刀を振り回していた。そしたら何本か切れた感覚があったから」
「全く、君の洞察力は侮れないねぇ」

　浮いたまま足を組み、やれやれと言った感じに首を振る。その少年に黒龍はもう一つ問いた。