一節 十部 ページ46
「おはよう！諸君！」
朝、ナオは扉を勢いよく開け、元気よく飛び出した。
中にはもう皆居り黒龍は呆れた顔をしている。
「おいキャラ………おは「おはよう主様ぁ〜♡」……」
黒龍と金龍が火花を散らし睨み合う中ナオは橙龍の元へ足を進めた。橙龍はナオに気付くと緊張したように体をビクつかせ、控えめに声をかけた。
「お、おはようございます主殿」
「およ？呼び方変わってる」
「あ、あぁ……少しくらいは信じてみようかと思い……二人共主と呼んでいたからな、俺もと……い、嫌だったか……？」
「そんなことないよ、嬉しい。ありがとう」
不安げにこちらを見る橙龍の頭に手を置いて、ナオは嬉しそうに目を細めながら優しく撫でた。その様子を面白くなさそうに見つめる黒龍。橙龍に嫉妬かと直ぐに理解したナオは顔をにやけさせた。
「おま……いつまでデレ期なの、可愛いなぁ♡」
縮こまって不貞腐れる黒龍に強く抱きつくと、恥ずかしいのか身を捩らせる。
「ちょっ…主……！」
「なんだ？こうされたかったんじゃなかったのか？」
「そっ……う、だけど」
「そうなんかい」
諦めたのか大人しくなった黒龍を何度もぎゅうと抱きしめると首筋に顔を埋め隠した。
はぁかわいいなぁ
そう癒されていれば金龍も羨ましかったのか、ナオの服を少しくいくいと引き、上目遣いで目を輝かせ、甘えるように猫なで声で言った。
「むぅ………あるじさまぁ……僕にもかまって？」
勿論可愛いもの好きのナオには効果覿面で、可愛さで心やられ只管に金龍の頭を撫でくりまわした。
「か、可愛すぎ注意報発令中……」
「何言ってんだ」
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作者名：宇宙ノ彼方 | 作成日時：2018年12月26日 11時
