一節 十五部 ページ15
「はっ…?………主……?」
突然姿を現したそれに黒龍はナオがいたところをみるが、ナオはそこにいなかった。そこには、ナオが付けていた腕輪だけがキラキラと輝いていた。
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「ここ……は………」
ナオは辿り着いた先に唖然と座り込んでいた。
辿った先にあったのは、黄金に輝く沢山の宝石や金物などの宝ばかりだった。
その全て黄金で出来たエリアにナオは眩しくて目をつぶりたくなる。
「ふわぁ…人の欲が溢れんばかりの………あんま興味ないけど…」
宝自体に興味を持てないナオは立ち上がり、依頼にあった金色に輝く鉱石を探そうとしたが何処からともなく聞こえる電子音に足を止めた。
ピコン
「んむ、」
―――〔
表示されたそれにナオは目を見開いた。
「まじかよ、んじゃ一旦戻りますかな」
来た道を戻ろうとナオは後ろを向くと___
「あれ、我どっから入ったん」
入ってきたはずの道が無くなっていた。
「……こりゃぁまずい…」
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「チッ………主は何処に……」
連絡も繋がらず足跡もない、あるのはナオの腕輪のみ。
黒龍はナオを探す為、只管走り回った。
「ヒント少なすぎだろ……ったく………あんの主はぁ……」
キョロキョロと辺りを見渡すと何かきらりと光るものが視界に入った。それに近付き手にする。
それは黄金色に光る大きめの鱗だった。黒龍はこれがなにかを知っている。
「…龍鱗だ」
もしかしたら本当に龍はここにいたのかもしれない。又は死んだか………
俯くと足元に粉っぽくキラキラと輝く何かがあった。
慌ててしゃがみ、それに触れる。
「何だ、この金箔を粉々にしたような………」
それは途切れ途切れに続いていて、黒龍は粉を追って行った。
ナオがこれにつられて行ったことを信じて。
「う〜ん………これ貰っていいかなぁ」
ナオはというと、宝の山を登ったり、漁ったりとこの部屋をひたすらに歩き回っていた。
「報酬はこの宝とか言ってるんに、え〜…でもなぁ……」
煌々と輝くお宝を睨み、この報酬である宝を持ち帰るか悩んでいる。
「ホンモンなら高値だろうけど、偽モンなら…そしたら……お気に入り以外を捨てよ」
(にしても、どうやって出よっかねぇ)
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作者名:宇宙ノ彼方 | 作成日時:2018年12月26日 11時