蝕む愛でよろしければ【YG】 (ページ5)

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「お弁当ありがとね、食べるの楽しみ」
「ん。いってらっしゃい」
「いってきま〜す」

朝バイトに行こうとしたら、ユンギくんがお弁当を作ってくれていた。朝は苦手で眠いのにも関わらず、優しい幼馴染に嬉しくなる。

スウェット姿で寝癖がぴょんと跳ねながら、ちゃんとヒラヒラと手を振って見送ってくれるユンギくんに笑みが溢れた。今日のバイトはいつもより頑張れそうだ。

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「Aちゃん、大丈夫？顔色悪いよ」
「ほんとですか…？なんだか気持ち悪くて、朝はなんともなかったんですけど…」

店長に声をかけられ、傍から見ても具合悪そうに見えちゃうか…と溜息を吐いた。「今はお客さんも少ないし、裏で休んでていいよ」という店長の言葉に甘えて休憩室へ足を運んだ。

椅子に腰掛け、気持ち悪さを少しでも軽減したくて水を飲む。暑さにやられちゃったのかな…それでも、ユンギくんのお弁当はちゃんと食べれてよかった。せっかく作ってくれたのに食べれなかったら申し訳ない。

気持ち悪さはなかなか治らなくて、少しだけ眠らせてもらおうと机に伏せて目を閉じた。せめて明日の花火大会までに、良くなることを願って。

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「──あれ、ユンギくん？」
「おお、おつかれ〜」

カフェのバイトが終わって、お店を後にすると、店先のガードレールに腰掛ける人がいてなんとなく目を向けた。朝のスウェット姿とは一変して、シャツとスキニーを着こなす幼馴染の姿を見つけ、驚きつつも慌てて駆け寄った。

「なんでここに…ていうか帽子もっと深くかぶって！」
「はは、ヌナ、必死すぎ」
「笑い事じゃないよもう〜！早く行こっ」

人通りのある場所から早く去りたくて、幼馴染の手をとってさっさと歩き始める。いや、歩き始めようとした。

「───わ、」
「ちょっとAヌナ、顔色悪くない？」

ユンギくんの手を引いて歩き始めようとしたら、逆に手を引かれて、後ろに仰け反ってしまった。バランスを崩した私を支えるように腕を添えたユンギくんに顔を覗き込まれる。

…気持ち悪さは少しマシになったけれど治りきらず、幼馴染にもバレバレだったみたいだ。心配そうな顔をしている幼馴染を少しでも安心させたくて、「だいじょうぶだよ」と笑いかけるけど、彼は眉を寄せるだけだった。

「早く帰ろう」

タクシー呼ぶから、と私が止める前に手際よくタクシーを手配して、私たちはまっすぐに帰路に就いた。

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