蝕む愛でよろしければ【YG】 (ページ17)

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「ごちそうさまでした！おいしかった〜」
「ならよかった。でもまだ顔色悪い…ヌナ大丈夫？」
「うん…さっきよりはマシだけど、まだお腹の奥がぐるぐるしてる気がする…」
「明日もまだ具合悪かったら、一緒に病院行こう。今日は早く寝なね」

もうお風呂の準備もしてあるから、と告げるユンギくんは本当に至れり尽くせりで完璧すぎて一緒にいるのが恐れ多くなってきた……

「何から何まで…ユンギくんにはお世話になりっぱなしだね、ありがとう」
「俺もここに泊まらせてもらってるから、気にしなくていいよ」
「ほんとわたし、ユンギくんが幼馴染でよかった」
「──俺も、Aヌナとずっと一緒でうれしいよ」

ほら早くお風呂はいってきな、というユンギくんの言葉を背に、脱衣所へ向かう。優しい幼馴染に何かお礼をしたいな、なんて考えながらお風呂に入った。

：

わたしと入れ替わるようにお風呂へ向かったユンギくんを見送って、ソファーに座ってドライヤーの電源を入れる。ブォオオと生暖かい風でのんびりと髪を乾かしながら、ふと気づいた。

「なんかスッキリしてる気がする…お腹も頭もいたくない…」

思わずカチッとドライヤーの電源を切った。誰かがいる訳でもないのに、周りをキョロキョロと見渡すほど動揺している自分がいた。──薬も飲んでないのに、どうして治ってるんだろう。

…一度冷静になって考えよう。手に持つドライヤーをテーブルに置いて、腕を組む姿勢になる。

最初に体調不良になった時は、たぶん、ユンギくんと夏祭りに行った時……じゃない、バイトの時だ。朝は普通にユンギくんと朝ごはんを食べて、お弁当もちゃんと食べれたのに、夕方くらいに気持ち悪くなったんだった。それで、一晩寝たら治ってた。

その次が夏祭り。
ほぼ一日中なんともなかったのに、屋台のご飯やかき氷を食べてたら気持ち悪くなったんだ。寝たら次の日には治ってたけど。あの時も本当に辛かった。

そして今回。
友達とランチして、コーヒーでも飲みに行こうかって時にまた気持ち悪くなった。変なものを食べた訳でもないのに気持ち悪くて、でも吐く気配はなくて、ひたすら気持ち悪くて頭も痛かった。ユンギくんが来てくれなかったら大変なことになってたかもしれない。でも今回は、寝てないのに治った。

「むむ…」

ずっと寝たら治ると思っていたけれど、違うのかもしれない。だって今回は寝てもいないし薬も飲んでない。だとすれば、考えられるのは───

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