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屋台が並ぶ賑やかな場所から少し離れたベンチに座って、先ほど購入したかき氷をシャリシャリと食べる。ちなみに目的の一つであるりんご飴は、着いて早々胃の中に収められた。ユンギくんはすでに私が半分食べたイチゴのかき氷の残りをぺろりと食べ終えていた。
「あとは〜焼きそばと〜何がいいかな〜」
「まだかき氷残ってるから、俺が買ってくるよ」
「もぐもぐ…え、そんな悪いよ、わたしも行くよ」
「大丈夫。サッと買ってくるから、ヌナはここにいて。誰かに話しかけれても、ついていっちゃダメだからね」
「むむ…わかった、ありがとう。……もう、そんなに心配しなくて大丈夫だよ。じゃあ気をつけてね」
絶対にそこから動くなよ、危ないからなと念押しするユンギくんをハイハイと見送って、残りのかき氷を食べようと口に運ぶ。シロップでひたひたになったかき氷がまたいいんだよねえ〜と頭がキーンとならない程度に黙々と食べた。
屋台から少し離れたここは、少しだけ閑静でさっきまでの賑やかな雰囲気が嘘みたいだ。生ぬるい風が頬を撫で、さわさわと木々が揺れる音も聞こえる。
それにしてもユンギくん、アイドルの仕事で忙しいはずなのに休みの日にわざわざ幼馴染の私と過ごしてくれるなんて、なんだか嬉しいなあ。少し過保護な気もするけど。
だって私はもう大学生で、ユンギくんより年上で(まあ精神年齢を考えると彼のほうが大人な気もするけれど)、一人でベンチに座っているからって何かあったりする訳じゃないのに。
あんなに危ないから気をつけてと言われると、ドラマや漫画だとフラグになっちゃうよねえ
「オネーサン、ちょっといい？」
───まじか。ユンギくん、どうやらフラグを回収しちゃいそうです。
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作者名：みいこ | 作成日時：2022年9月6日 15時
