君はぐりーんeighter。３((green))

51.何で？ ページ3

忠｢ちょっ、お願い、安。｣



安｢なにぃ？｣



忠｢そっちのﾄﾛｯｺ代わって！｣



安｢何でぇ？｣




次の曲が始まる前、
さっき乗った逆のﾄﾛｯｺに乗らなあかんねんけど




忠｢お願いっっ、安！｣



安｢しょうがないなあ……｣




あぁ、神様安田様。←




忠｢ありがと！安！｣



安｢ええよ〜♪｣




安のおかげでさっきと一緒のﾄﾛｯｺに乗る。

向かう先は、｢大倉くん｣って書いた団扇の前。




錦｢えっ？大倉！？｣



忠｢亮ちゃん〜、んふ。｣



錦｢章ちゃんやなかったっけ、こっち。｣



忠｢代わってもろた♪｣



錦｢あぁ、そう。｣




亮ちゃん、反応うすっ(笑)

先に乗ってた、横山くんには
めっちゃびっくりされたけど……←





──３人が位置につくと

曲が始まって、ﾄﾛｯｺが動き出す。





…………あ、見えた。


どんどん近づいてくる、｢大倉くん｣の文字。


団扇は曲に合わせて揺れてて
Aちゃんも、楽しんでるみたい。



次は、手振ってみよかな〜

Aちゃん、驚くかな？


…………なんて考えながら


ﾄﾛｯｺがちょうど前を通る瞬間に
Aちゃんの方を向いた







…………のに、

…………………何で？



さっきまで、顔上げてたよな？

団扇振ってたよな？

こっち、見てくれてたよな？




Aちゃんの姿は
団扇で隠れて見えへんた。



何で？



この言葉だけが頭の中を回る。



錦｢大倉！降りんで！｣




ちゃんとﾊﾟｰﾄも歌いきったけど、
ﾊﾓるのもちゃんとしたけど

気持ちは、上の空。




忠｢あ、ごめん。｣



錦｢何しとんねん！｣




ﾄﾛｯｺから降りた後、
気を引きしめてﾗｲﾌﾞにちゃんと集中した。



｢大倉くん｣って書かれた団扇のある方向を


時々、見ながら。

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