これからも ページ47
「お、おわったぁー！」
リヴァイさんは向かいで一時間前から紅茶ばっか飲んで私の報告書を眺めている
「終わってるなら手伝って…」
「甘えるな。お前のためにならねぇだろ。すぐエルヴィンに届けてこい。」
わー。ゆっくりさせてくれないんだ。
私は席を立つと自室を出てエルヴィンさんのところへ。
コンコン…
「…入れ。」
「失礼します、報告書終わりました。」
「随分と気が荒れてるな。」
「えっ!?か、顔に出てますか？」
私は慌てて顔を隠した
「ノックの仕方だよ。」
「え…？全然分からなかったです…。」
「どうだ？忙しいだろう。」
コーヒーを差し出してくれ
「はい…。そりゃもう…」
げっそりする私を見て
「これからも調査兵団に命を預けてくれるな？」
と。
「…勿論です！」
「…一つ聞いておこう」
「…はい」
「巨人を目の当たりにして、君は何を思った？」
私の中で死を覚悟したあの時のことを思い出した
「………」
エルヴィンさんは急かすことなく黙っている
しばらくして
「私は…何も考えられませんでした。ただ死ぬんだなと。」
「そうか。報告書は確かに受け取った。コーヒー飲んだら行っていい。」
「はい…。」
幻滅だろうな。こんな意志の弱い調査兵なんて…。
期待…裏切ったかな。それとも、期待自体してなかったか…。
どちらにせよ、私もリヴァイさんと壁外に出て巨人を倒したい…。そんな野望が出てきた。
エルヴィンさんは私を眺め口を開いた
「足は？見た感じだともう痛みはなさそうだな」
「はい。今日もずっと休んでいたから。だいぶいいです」
ふっと笑った。
「報告書は仕事のうちに入らないか？」
「そ、そう言う事じゃ…！」
「体を動かしてないと言えども体はしっかり疲れているはずだ。訓練したのと同じだと思え。
エレンも言っていた。もっと早く止めてればと。」
「そうだ…エレンは大丈夫ですか！？リヴァイさんに凄い仕打ちを…」
「ハンジから聞いた。Aを守る義務を放棄した。自分の欲の為に。その代償だ。」
「でも…」
「‘でも’…なんだ？
ここでは決められたことは守ってもらう。勿論Aにもだ。限界を超える訓練は厳禁だ。いいな。」
「はい…。」
「飛び入りでの入団だ。急ぐ気持ちも分かるが、命を預ける以上は役に立って貰う。訓練で怪我してお荷物なんて嫌だろう。」
…痛いところ突いてきた…。
「はい…気を付けます。」
私はエルヴィンさんの部屋を後にした
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「進撃の巨人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すばる | 作成日時：2017年5月10日 11時
