側近 ページ46
歩けるまでに回復したのは
次の日だった。
まだ足に少ししびれが残っている。それでも、訓練を怠るわけにはいかない。
私が部屋を出ようとすると
ドアが開いた。
「!」
ビックリして尻餅をついてしまう。
「ちょ…ノックくらいしてください!」
リヴァイさんは表情ひとつ変えずに私を見た。
「…準備万端だな。まだ回復していないはずだが。」
部屋の中へ入り机に書類を置いた。
「少しだけ…訓練したいなぁと…」
「それは残念だな。お前にも報告書の仕事がある。」
「えっっ。」
間抜けな声が出てしまった。
「今日は俺と1日デスクワークだ。」
そう言うと椅子に座って報告書の山をパラパラさせた。
「報告書って…リヴァイさんとか、隊長の仕事なんじゃ…。」
「…馬鹿言え。お前は訓練するだけが仕事じゃない。俺の内部の側近でもある。」
「そ、側近…?」
「まぁ、俺の次に忙しい役回りになっただけだ。」
「えぇ!?ハンジさんと同じくらい忙しいんですか!?訓練する時間減っちゃう…。」
「そうだな。一つ違うのは…あいつは部下に任せることが多いが、お前にはそんな部下いない。せいぜい頑張るんだな。」
「私一分一秒でも多く立体機動訓練がしたいんですけど!!」
「知るか。ハンジみたいなこと言ってんじゃねぇよ。さっさと報告書まとめろ。」
「…はぁい…。」
その日は一日、報告書のまとめに追われた。
ーーーー13時間前ーーーー
(ロ-ロ)
「本当にやらせるつもり?」
私はリヴァイに聞いた
「こうでもしないとあいつは体を休めることしないからな。馬鹿まじめに訓練に励みやがって。」
「リヴァイがそうさせたんでしょ?」
「……」
リヴァイは窓際のに置いてあるカップを手に取った。
「ところで何でそんなとこに水置いてるの?加湿のつもりだったら笑っちゃうんだけど」
私が言うと
「前回の壁外調査の前日の夜にあいつが置いたんだ。」
「へぇ…」
「月が、この中に入る。」
「え??」
「反射でだ。月がコップに入ってるように見える。月を飼ってるみたいだと。」
「…今も、入ってるの?」
私はコップをのぞいた
「本当だ…暗くすると綺麗だね」
「この月は鳥籠の中の更に小さな籠の中で俺に飼われていたAだ。」
「あ…。」
私は思いだした。
『Aはリヴァイのペットなの?』
「ご、ごめん…。巨人実験の時…あんなこと言って…」
私の言葉が2人にトドメを刺したのか…
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作者名:すばる | 作成日時:2017年5月10日 11時