見舞い鵺 ページ15
(ロ-ロ)
Aはずっと起きなくて
リヴァイはAの部屋から出ようとしない。
「リヴァイ、部屋戻りなよ」
「…お前が戻れ。研究はどうした」
「Aがこんなんじゃ手もつかないよ。あ、煎餅食べよー」
「Aのだろ、勝手にとって食ってんじゃねぇよ」
「食べきれないからっていっも来る人くる人に出してるから大丈夫だよ。」
私はせんべいを出して食べた。
「…Aは日本から来たって言ってたじゃん
3年前に空から降ってきたアイツも日本からなんだよね。」
「珍しいな。その話するなんて」
「だからきっとAはこのせんべい見た時もなんか感じたんじゃないかなぁ。って。」
私はポリぼりしながら外を見る
「今じゃ…巨人だもんな……なんで…何で調査兵団に入れちゃったんだろう。後悔しかないよ…」
「だからやめとけって言ったんだ。日本人っつーのは体力の限界値がちいせぇみたいだからな。」
「…そう、だね。」
でも、私は彼とひとときも離れたくなかったんだよ。彼も…だから毎日あんな体を酷使してた。私に追いつく為に。でも、限界だったんだろうね。
Aは?調査兵団に入りたいって言ってこないの?」
「……」
「言って来たんだね。駄目だよ、オッケーしたら。」
「男の体力の限界値があれだ。女の限界値なんて…いくら頑張っても立体機動の着地だけで骨が折れる。」
「うん。
後ね、彼が言ってたんだ。向こうには夢の国があるらしいんだ。ネズミーランドって言って、いろんなキャラクターショーや立体機動みたいな速さの乗り物に乗って楽しむ所!あ!もしかしてもうAからきいてるかな?」
「いや…日本のことは何も聞いてない。」
「へ?てっきり色々話してるのかと思ったよ。」
「じゃあ一緒にいてどんな話してるのさ…つまらない男だね。」
「…。こいつも俺といて楽しいことなんて無かっただろう」
「目…覚めないのかな」
「さぁな」
リヴァイ…あなたがAに対して見る目は…
恋人を見る目だな。
医学書でも読んでこようかね…
「リヴァイも、少しは休みなよ」
「あぁ。」
冷たくなってないか 脈はあるか 数分ごとに確認しちゃって。全く可愛いとこもあるもんだね。リヴァイは。
私はAの部屋を後にした。
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作者名:すばる | 作成日時:2017年5月10日 11時