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◇八◇





 本日ハ晴天ナリ。古くからマイクテストの定型文であるそんな言葉が零れ落ちてきそうなほど、今日の江戸は晴れやかだった。

 そして私としては、そんな絶好の運転日和に風を感じない手はないワケで。


「――ヒャッホォォウ!!」

『そこの暴走車止まりなさーい。天下の真選組の真ん前でアクセル全開たァ、いい度胸じゃねーか。そんなに飛ばしても、バック・トゥ・ザ・◯ューチャーみてェにはいかねェぞ』


 ――窓を流れるビル群はぐんぐんと後ろに遠ざかっていき、開け放たれた窓からは不穏なサイレンと拡声器越しの声が響いていた。











 どんどん音を上げるエンジンの声、爽やかに車窓から吹く風、他の車を追い越したときの鋭い空を切る音。



「それを知っちゃったら法定速度で満足するなんて無理」

「何を知っちまったのかは知らねェですが、守るモンはキチンと守らねェといけやせんぜ」

「私の法律的には問題ナシだから」



 天下の公道を音速を超えるような速度で走っていれば、そりゃいつかは警察の目に留まるものだ。

 つまりところ何度目かになる補導を、私は受けることとなった。


「取り敢えず罰金と二点の加点。これでアンタも免停予備軍から免停軍へと昇格でさァ。おめでとうございやす」


 私の爆走を止めたのは、珍しく土方十四郎以外の真選組隊士で。浅栗色のストレートヘアをなびかせた甘いマスクのその男は、たしか沖田総悟とかいう名前だったような。優しげな顔立ちとは裏腹に、超がつくほど弩級のサディストな警戒するに相応しい危険人物だと記憶している。――というか、そんなコトよりも。



「……え、免停? ウソでしょ」



 無慈悲な宣告に、私はこの青空とタイマンを張れるぐらいに顔を青くした。

否→←酔



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ASK - 他と被らない設定、とても良いと思います。あまり甘々な絡みが好きではないので丁度いい (2019年5月21日 19時) (レス) id: 49e118c28b (このIDを非表示/違反報告)
三文(プロフ) - 純野翠雨さん» コメントありがとうございます。個性の強い夢主は嫌われやすいかも、と密かに不安だったのでそう言っていただけると嬉しいです!よろしければ、引き続きお付き合いいただけると幸いです。 (2018年9月17日 0時) (レス) id: 1d9b4e262e (このIDを非表示/違反報告)
純野翠雨 - テンポよくお話が展開していってすごく面白かったです!ヒロインのキャラが読んでて楽しかった! (2018年9月16日 21時) (レス) id: 13f3f7b214 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三文 | 作成日時:2018年9月3日 23時

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