ドS彼氏の彼女攻略【赤司征十郎】

49.これから宜しく ページ50

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『……ありがとう、でも私すぐに出ていくから要らない』

「……1人暮らしでもする気か？」

『そうだけど』



お金は……バイト？というものをして何とかする、



と、それから長居するのも申し訳無いし赤司君も嫌だろうからとその後にAは付け足す。
しかし征十郎としては今まで会ったことが無いようなタイプのAを手元から手放すのは惜しいので、すぐに引き止める。



「1人で料理作れるの？」

『……それは』

「高宮は確か料理や裁縫、家庭的な事が苦手だったんじゃなかった？」

『……コンビニ弁当』

「栄養が偏る」

『……簡単なものなら作れる』

「スポーツドリンクも作れなかったのに？あれはかなり簡単な方だよ」

『……』

「高宮に1人暮らしは難しいと思うが？物件やバイト先を探す前にまずは僕から料理を学んだらどうだ」



ぐうの音も出ない。
確かにAは料理が壊滅的に出来ない、というよりも家庭的な常識すら殆ど無い状態だ。



そんなAが1人暮らしをすれば、すぐに何かしらの問題にぶつかるだろう。



……ならお兄ちゃんを頼る？
お兄ちゃんなら料理も出来るし……
……いやでも、それは出来ない。



兄に言えば家に連れ戻されるかもしれない。
そもそも兄の事も少し苦手なA。
だとするなら、今この状況を知っていて何でもそつなくこなせる征十郎に頼るのが最も効率が良い。



『……でも、色々教えてもらったらすぐ出てくから』

「そう」



結局征十郎に押し負かされたAは、暫くの間征十郎に色々と教えてもらう事になり当初の予定とは大分違うものになってしまった。



「これから宜しくね、高宮」

『……』



Aとしてはあまり宜しくしたくない所だが……。
『もう寝る』そう1言だけ残してAはリビングを去って行った。



こうして、征十郎はAをまだ手元に置いておく事に成功し、今日という怒涛の1日が幕を下ろしたのだ。
明日から、新しい生活が始まる。



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