ドS彼氏の彼女攻略【赤司征十郎】

27.電話 ページ28

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まずはちゃんとした目的である諸連絡についてAに伝える。
Aはメモをとると二つ返事で分かったと答えた。



で、次は本題の……



「高宮、また何処か一緒に出掛けないか？」

『……え、嫌だ……』

「今度は動物園だ」

『動物園……赤司君の口からその単語が出てくるとは……なんか……』

「なんか？」

『似合わない』

「……なんだって良いだろう」

『そうだけど、動物園ってほのぼのしてるイメージだから、殺伐としてる赤司君がそこに行くのを想像したら…』



携帯の向こうで、ふっと僅かに笑う気配。
最近は部活でも僅かになら笑うようになった。



ただ笑顔はいまだに中々見せない。
征十郎が水族館の時に一回見た程度で。
でも自分だけがAの笑顔を少しでも見たことがあるという事で、ちょっと優越感。



「別に、僕は殺伐としてないよ」

『してるよ』



征十郎からしたらそんなつもりは無いみたいだが、周りから見れば外面じゃない時の征十郎は割と怖い。



そんな話をしながら、とりあえずAの好きなものをもっと探ろうと征十郎が更に話しかける。
その時。



ふいに、携帯ごしにガチャリとドアが開く音がした。



「……A、誰と話してるの？」

『あ……ぁ、部活……の人……』



誰だ……？
声音からして男だ。



「部活……って、バスケ部？」

『そ、そう……連絡事項……が、あって……』



しかし急にAが声を小さくして、焦ったようにどもりだしたので征十郎は首を傾げた。



「高宮？」



声をかけてみるが、Aから返答は来ない。



「……男？」

『あっ…、ち、違う』

「そんな訳無いでしょ、Aが入ったバスケ部って男バスだよね」

『……ご、ごめんなさい……』



会話を聞いて、妙に委縮してるな、と思った。



「……へぇ〜。なんで男と会話してる訳？学校でならまだ良いけど何で電話してんの？」

『そ、それは……だから……連絡事項って』

「そんなのラインで送れよ」

『……ッ！』



なんだ……？
Aが今会話している相手の声はかなり冷たい雰囲気を持っているように感じる。
更にトーンが、低くなった。



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