ドS彼氏の彼女攻略【赤司征十郎】

1.赤司征十郎という男は ページ2

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どんッ



今日も騒がしい教室の中。
頬杖をついて外を眺めていたら、肩に何かがぶつかる感触がして振り返った。



「あ……！！ご、ごめん高宮さん……！」

『……』



クラスメイトの女子が、じゃれあっていたら体制を崩して私にぶつかったらしい。
彼女はぶつかった相手が私だと知ると、若干怯えて顔を引き攣らせすぐに謝り、そそくさと離れていった。



「だ、大丈夫だった……？！高宮さん怒ってない……？！」

「こ、怖かった〜……！……多分。相変わらず無表情だったし何も言ってこなかったから……」

「高宮さん、成績優秀だし運動も出来るけど何考えてるか分からなくて怖いよね……」

「分かる、誰かと一緒に居るところも見たこと無いし……」



……聞こえてるんだけど。
聞きなれたひそひそ話にうんざりする。
彼女達の言う事は事実ではあるけど、やっぱり影で噂されるのは良い気はしない。



別に無表情だって良いでしょ。
愛想笑いなんて出来ないし。
友達も必要無い。
どうせ上辺だけだから。
人との関係なんて疲れるだけだ。
だから、私には……



「あ！赤司君おはよ〜！」

「今日もかっこいい〜！」

「おはよう」

「ねぇねぇ赤司君、私お菓子作ってきたんだけど……良かったら食べてみて！」

「ありがとう、後で頂くよ」



色んな人と関わっている赤司君の事が理解出来ない。



ちらっと視界の端に移る赤い髪。
今日もいつも通りの爽やかな笑み。
赤司征十郎、彼はこの洛山高校の中でも有名人だ。
成績優秀で運動も出来て、そのうえルックスも良いし人当たりも良い。
更には落ち着きもあるからか、いつも女子生徒の注目の的となっている。



そんな絵に描いたような王子様キャラ。
ただ一つ、女好きという欠点があるけれど。
彼は良く彼女が変わる。
長く持って2週間ぐらい、それを果たして彼女と呼べるのかどうかと思ったけど、単純に女好きなのだろう。



だから私は赤司君の事はあまり好きではない。
それに……私からすれば彼の方が何を考えているのか良く分からないし。
なんとなく、彼のその笑みは作り物のように見える。
本当はあんな爽やかに笑う人じゃない気がする。
裏がある気がしてならない。



腹の奥では何を考えているのか……それが全く分からないのも好きじゃない。



……まあ、あまり接点無いしどうでもいいんだけど。




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